<近日開催予定のイベント>
12月6日(水) :告知!第6回、鍼灸学生の為の勉強会
下野です。
「大医精誠第二」の続きになります。
※前回まではの記事はこちら。
【古医書】『備急千金要方』「大医精誠第二」:第一
【古医書】『備急千金要方』「大医精誠第二」:第二
【古医書】『備急千金要方』「大医精誠第二」:第三
【古医書】『備急千金要方』「大医精誠第二」:第四
【古医書】『備急千金要方』「大医精誠第二」:第五
【原文】
夫大医之体、欲得澄神内視、
望之儼然、寛裕汪汪、不皎不昧。
省病診疾、至意深心、
詳察形候、織毫勿失、
処判鍼薬、無得参差。
雖曰病宜速救、
要須臨事不惑、唯当審諦覃思、
不得於性命之上、
率爾自逞俊快、
邀射名誉、甚不仁矣。
<第七回に続く>
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【書き下し文】
大医の体、神を澄して内視し得て欲す。
之を望して儼然、寛裕汪汪にして、
不皎かならず味からず。
省り病みて診し疾つ、至意深心、
詳に形候を織毫も失する勿く、
処判め鍼薬を察め、
参差することを得ることを無き。
病宜く速かに救うと雖も曰と、
須く要く事に臨て惑はず、
唯審にし諦にし思を覃ふす当に、
於て性命の上に得れず、
率爾にすことを自ら俊快を逞ふ、
射は名誉を邀へ、
甚はだ不仁ならん。
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では現代語にしてみようと思います。
「大医の振る舞いは、
神を澄まし自ら内観すべきである。
他者からみれば厳然で、
非常に寛容であり、明暗がない。
病を診るときは
誠実な気持ちで
症候を詳細に少しのミスもなく、
鍼・湯液の判断を間違ってはいけない。
速やかに病から救い、
必ず事に惑うことなく
慎重に考えるべきである。
性命に軽率であってはならず、
自らを才能ある者のような態度で
名誉を求めるのは甚だ不仁である。」
といったところで、
「大医の振る舞い」
についてを記しています。
次回の第七回では
患者の前での振る舞いに関して
記されておりますので、
また紹介します。
<参考文献>
『備急千金要方』 中国医薬科技出版社
『中国医学の歴史』 東洋学術出版社
『まんが中国医学の歴史』 医道の日本社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
下野