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こんにちは盧です。
本日は前回に引き続き張元素を見ていきます。
前回のおさらい
「張元素」
「張元素 その2」
「張元素 その3」
それでは張元素の学術思想について迫っていきましょう。
3、帰経を生みだした。
帰経(きけい)とは、服用した生薬や本草
場合によっては普段食べる食材などが体のどの部分
に効くのかというのを述べたものです。
「経絡に帰る」と書いて帰経ですが、
効かせる部分は経絡だけでなく、
五蔵六府であることもあります。
(もちろんここで述べる効かせる部位は
東洋医学的な視点によるものです)
張元素はこの帰経という考え方を生みだし
治療の中で自由自在に応用したと言われています。
具体的に見てみましょう。
彼の代表作『医学啓源』のなかで
「頭痛には川芎を用いよ、もし効果がなければ、
川芎の効能を経絡に引き込む薬を加えよ。
太陽経に引くには蔓荊を用い、
・・・
少陽経に引くには柴胡を用い、
・・・
少陰経に引くには細辛を用い、
・・・
どの経絡かを見極めて、経絡に引く薬を
使って薬の効果を導く。」(意訳)
歴史的にみれば
帰経とは
『黄帝内経』『傷寒雑病論』『神農本草経』
という3つの東洋医学の古典を
理論的につなぐ役割をにないました。
いままで張元素を見てきました。
彼の学術思想を受け継いだ人々は
後に易水学派とよばれ数数の名医を
輩出します。
中には補土派の李東垣や
千年に一人の逸材と言われた張景岳
といった人もいました。
次回は伝統医学で始めて小児科を作った名医
銭乙(せんいつ)を紹介していきます。