<近日開催予定のイベント>
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この傷寒論のシリーズは、
当院の修行生によって毎週、水曜日の早朝に開かれる、
自主的な勉強会におけるメモ・備忘録となります。
古典の専門家によるものではなく、
一から学ぶ者の新鮮な目線を共有出来れば幸いに思います。


10/18(水)
太陽病下篇より

(134条)
太陽病、脈浮而動数、浮則為風、動則為痛、数則為虚。
頭痛、発熱、微盗汗出、而反悪寒者、表未解也。
医反下之、動数変遅、膈内拒痛、胃中空虚、客気動膈、短気躁煩、心中懊憹、陽気内陥、
心下因鞕、則為結胸、大陥胸湯主之。
若不結胸、但頭汗出、余処無汗、剤頸而還、小便不利、身必発黄也。

条文のはじめは、太陽病の説明から始まっている。
脈状の説明では、浮は表証、数は熱証を表し、
表熱がみられることから痛みを表す動の脈があらわれる。

動の脈、すなわち動脈とはどのようなものか。
豆のような大きさであり、また、犬がしっぽをふるようなふるまいの脈をいうようで、
睡眠不足の人の脈を診せて頂いたときにこの動脈が出ているように感じた。
中空で浮位で衝き上げるかのような脈であった。

また、数脈が虚を表すというのは、
正気の虚を表しているのではなく、
邪実が形成されきっていない状態、すなわち
病がまだ盛んでない状態をいうようである。

太陽病に対しては発汗法を用いるところ
下法を用いると病が内陥し悪化してしまうことは
これまで何回も出てきた。
今回、脈が遅となり、すなわち脈道が阻まれ、
陽気が阻害されている状態となっており、
症状としては条文のとおりで、
胸郭のあたりに邪実が停滞していることを表す。

表証に対して下法を用い病が悪化するということであるが、
この条文の場合、もともと、胃や心・肺が弱く、
下法による誤治がきっかけとなったのだろうか。

大陥胸湯について、これはかなり強い下法を行うものである。
結胸症とは、重篤な場合であることがここでも読み取れる。

結胸の状態にはならず、頭から汗が出て、
頚から下は汗がかかず、
(まるで頚から上と下をまっすぐ切りそろえたかのように、発汗の有無の境界が明確である)
小便が出ない場合は、内陥した邪実が胸脇ではなくさらに下の中焦にまで落ち込んでおり、
その場合には湿熱証となり発黄(体が黄色くなる)する。
この内容は236条にある。(茵蔯蒿湯証)

次回、続きを行う。


参加者:新川、大原、盧

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