どうも、新川です。
仕事からの帰り道、
ふと空を見上げた時の風景です。
ずっと見ていると、
自分が海底にいるような錯覚を覚え、
海に漂うくらげの気分でした。
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さて、
ここからが本題です。
今回から「九変」篇が始まります。
【九変】
孫子の用兵の法
故将通於九変之利者、知用兵矣。
将不通於九変之利者、雖知地形、不能得地之利矣。
治兵不知九変之術、雖知五利、不能得人之用矣、
故に将、九変の利に通ずる者は、
兵を用いることを知る。
将、九変の利に通ぜざる者は、地形を知るといえども、地の利を得ること能わず。
兵を治めて九変の術を知らざる者は、五利を知るといえども、人の用を得ること能わず。
ここでいう九変とは、
・高地に陣取った敵を正面攻撃してはならない
・丘を背にした敵を正面攻撃してはならない
・わざと逃げる敵を深追いしてはならない
・精鋭な敵をまともに攻めてはならない
・おとりの敵兵にとびついてはならない
・帰心にかられている敵をむりにおしとどめてはならない
・敵を包囲するには、どこかに逃げ口をあけておくべきで、決して完全包囲してはならない
・窮地におちいった敵にうかうか近づいてはならない
・本国から隔絶した敵地に長くとどまってはならない。
を指す。
特に上記の中の教訓として、
「相手を徹底的に追い詰めてはいけない」
という点があげられるが、
これは相手を思いやるということだけでなく、
追い詰められた敵の起死回生の反撃をまともに受けないという
捉え方も出来る。
決断という意味では大胆でなくてはならないが、
常に自軍が受けるマイナスの面も考慮して行動しなければならない。
また、
五利とは、
・道には通ってならぬ危険な道もある
・敵とみたら何でも攻撃すればよいというものではない
攻めては大局的に不利をまねくこともある
・敵城を攻めるについても同様である
・土地を争うにも同様、争って意味がないところがある
・君命は従うべきものだが、場合によっては反対した方がよいこともある
改めて見ると、
「利」はあくまでも自軍全体の利益であって、
決して個人単位の利益であってはならない。
次回へ続く
参考文献:
『孫子・呉子・尉繚子・六韜・三略 』 徳間書店
『孫子・呉子』 プレジデント社
『老子』 岩波文庫
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。