下野です。
以前に中江 藤樹先生の記事(こちら → 中江 藤樹)を書きました。
その記事の最後に、
歴代医家の孫思邈の名前を登場させ、
孫思邈の著書『備急千金要方』より
医家の心得を記した「大医精誠第二」を
サラッと、本当にサラッとご紹介しました。
(紹介というより、ただ書いただけの様な感じです(^_^;)

で、サラッと書いただけの
「大医精誠」を記事にしたのには
私なりの理由が在り、
鍼灸の書籍を読まれた
多くの方のレビューを見たり、
話を聞くと、
失礼ながら治療方法についての
有効、無効ばかりが論点になっている事が多いように感じます。
勿論 そういった方ばかりではありませんし、
治療家として患者さんを治すのが第一ですから、
そこが中心となることも分かります。
ただ書籍(特に古医書)には、
その著者の病治しに対する想い理念は勿論、
生き様等が書かれており、
そこに面白さや治療家という枠だけではなく、
人として尊敬され、後世に名を残す
理由が垣間見えます。
その中で、
「大医精誠」が非常に心に残りましたので、
紹介していこうと思います。

ただ 前置きが長くなったので、
今回は孫思邈の紹介と
「大医精誠」について軽く記しておきます。

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孫思邈そんしばく(581年?〜682年)

唐代の医家であり、道士でもある。
幼少期から百家学説に通じており、
老荘や仏典にも精通していた。
何度も皇帝に召されるも、
全て固辞し、隠居していたとされ、
日夜治療に当たったり、
著作に専念したとされている。

代表的な著書は
『備急千金要方』と、
その後の臨床経験や傷寒を加えた『千金翼方』がある。
中国史上有名な医家の一人とされ、
”薬王”と称され、
医神として奉られている。
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鍼灸師も含め、
医学に携わる方なら
誰もが耳にし、学んだであろう
医の倫理の宣誓文「ヒポクラテスの誓い」。
あまり医の倫理に
医学の東・西という言い方はしたくはないですが、
あえて言うと、
その東洋医学版と言ってもいいのが
「大医精誠」ではないかと思います。

『備急千金要方』は巻三十からなり、
「大医精誠」はその巻一に記されております。
また『備急千金要方』は
「人命の重さとは千金の貴さがあり、
医の方がこれを救うのは徳高きことである。」
といった意味から由来し、
医療者としての心得を非常に
大切にしていることがうかがえます。

次回から、
数回に分けて紹介していきます。

僕達椅子です!
僕達椅子です!

これ、耐荷重80㎏の立派な椅子です。


<参考文献>
『備急千金要方』 中国医薬科技出版社
『まんが中国医学の歴史』 医道の日本社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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