こんにちは、為沢です。
秋も深くなり、
だんだん木の葉が色づき始めましたね。
大阪にある箕面山には
食用の紅葉の天ぷらという名物のお菓子がございます。
食用の紅葉…そんなもんがあるんや
と思われるでしょうが、コレがなかなか美味しいんです。
箕面山に紅葉を見に行く機会があれば
一度食べてみて下さいませ。
以前、下野先生による中医学解説にて
望診の御紹介を致しました。
望診について、簡単におさらいします。
人と会った時に相手の顔色を見て何気なく
目がキラキラしてるなぁとか、顔色悪いなぁとか、
直感的に相手の調子を見る行為も
東洋医学では立派な診察法の一種であり、
これを「望診」といいます。
望診は顔色を診るだけでなく
神(しん)、形体、姿勢や体位。
細かく診ていくと…頭や髪、目、耳、鼻。
舌診も望診の一つであり、
排泄物を見ることも望診の一つです。
今回は望診の具体的な解説を
何回かに分けて御紹介したいと思います。
まず、望診の順序として…
「神(しん)」の有無を確認します。
ここでの神とは眼光、姿形、顔色、語声、肢体の動きなどの
外的表現を示します。
特に目は五臓六腑の精気が注ぐところであり、
(具体的に言うと、
目は肝の竅であり、心の使いであります。)
目を見て活き活きしているか否かを
観察することが重要になります。
目が輝き、精神状態がはっきりして
顔色が紅潤で光沢をもち、言語が明朗で
肢体の動きが軽やかな状態を「有神」または「得神」といい、
逆に眼光に精彩がない、または精神状態が思わしくない、
顔色に艶がない、言語や肢体に力がなく純重な状態を
「無神」または「失神」といいます。
また、話したがらず声も弱々しかったものが
突然活発に話し出したり、
極度に衰退して意識がはっきりしないものが
急に頬に赤みがさすような状態を「仮神」といいます。
これは「残灯復明」(消えようとした灯がまた明るくなる)
と称される仮象で、これは神が回復した訳ではなく
一時的に息を吹き返しただけで
予後が非常に危険な状態にあります。
神の有無を診ることにより
正気は損傷していないか、臓腑機能に衰弱がないか、
気が昂ってないかなどを診ます。
直感的な診察ですが、
予後どうなるかに大きく関わることなので
非常に重要な診察点になります。
次回は、顔色(気色)について御紹介致します。
参考文献:
『中医病因病機学』
『中医学の基礎』 東洋学術出版社
『基礎中医学』 神戸中医学研究会
為沢