今日診るはずだった者が
昨日のうちに亡くなってしまった。
一度も診る事無く。
あのとき無茶してでも向かっていれば。
今日ではなく、昨日にスケジュールを空けていれば。
後悔の念は無数に湧いてくる。
時間と言うのは非常に残酷だ。
いくら毎日鍛錬するとはいえ、
その手で触れる事も出来ずまま無念に終わる事が少なからずある。
ああ なんてちっぽけだと。
では、
天にでも願い、
選択が可能なあの時に戻せると言われればどうであったか。
それは、望まない。
僕自身、
最愛の人を救えたかもしれない、
あの時の決断。
前日に鍼を一本彼の元に置けたならきっと結末は変えられたという念は
一生つきまとうものの
もし、そういう選択肢があるとするならば
やはりそれは選ばない。
救えたとしても。
彼が今も僕の横に存在していた可能性があるとしても。
私は人であり、法ではないのだから。
僕らには受け入れる事しか出来ないし、
可能な限り最善の方法を用いるしかない。
後悔の先にも深い学びがある。
ただ、
時間は残酷だ。
悔しい。
が、僕らはそれに従うしか無い存在だとつくづく思う。
いつでも最善の方法を選べるように。
そしてその幅が少しでも広がる力強いものであるように
鍛錬させていただくしか無い。
で、あるが
ただ 悔しい。
けさ、いつになく早い時間にブログを開き、先生の手記を拝見してどきりとしました。きのう自分が診ていただいていた時間、その方は… などと考えてしまいますね、やはり。幼いお子さんだったかもしれない、などと。どうしようもなくすれ違ってしまうことってあるのだろうと思ったり。
このところ先生の手記にはいろいろと考えさせられますが、命の問題となるとやはり重いですね。大切な人を失った経験はわたしにもあります。もちろん先生とはまったく立場が異なりますが、結果的にわたしは病んだ彼女を見捨ててしまったのだと思います。いまなら彼女がどういう状態だったかもう少しわかると思うのですが、当時のわたしには彼女がなぜ破滅にひた走っていくのかどうにもわからず、適切な対応ができなかったのです。先生のように鍛錬を積まれた方なら、彼女を救えたかもしれません。そのような術を持たない身で、人の生死に図らずも関わってしまったことは、つくづく危険であったと思います。
先生たちのように生死に真摯に向き合っている方の施術を受けられて、幸せだと思います。
僕らも所詮は手助けさせていただくだけです。
死ぬ事は変える事は出来ず、
死を否定することもありません。
が、生きているうちはどうせなら自由に
思った通りの行動が出来るように
不憫のないようにさせていただけるように
一生かけてその技術は磨き続けていこうとは思います。
聖人君主ではないので死んだ人間を
生き返らせたりはしません。
また、たとえ出来たとしても
それは選びません。
ただ、病んで行く命一つ
手遅れになる前に手をうち
その生命がはつらつと生を営んでいただく事に対して
は一つの美学を持っております。
病治しが僕らのスキルだというだけの話です。
また、hickoryさんに言いたい事は
御彼女にしても
会うべくして会う人は
死んだってまた出会えると言う事です。
雨つぶになろうと
土に帰ろうと
人になろうと
必ず出会えます。
いつも出会っているかもしれません。
水をひとしずく僕らは消し去る事が出来るでしょうか。
決して出来ません。
蒸発して雲になり、
また冷やされて降ってくるだけです。
やがて大地の熱で温められ
天に昇華するでしょう。
人もまたしかりです。
彼女さんは決していなくなったりましません。
また ゆっくり語り合って下さい。
いま、彼女のゆかりの地にいます。すごい雨です。さっき警報が出ました。
彼女は高校時代からの親友でした。要領がいいだけで薄っぺらなわたしと違って、洞察力に優れ、とても思いやりのある人でした。大学卒業とともにわたしが地元を離れてからは年に1~2回会う程度でしたが、彼女にしてみれば離れている方が話しやすいこともあったのか、きまってわたしが仕事を終える明け方に電話してくるのでした。さいごは語り合うなんてことなかったですね。彼女が八方塞がりの状況を訴えるのを、ただ黙って聞くことしかできませんでした。そのうちに彼女の秘密はご両親の知るところとなり… わたしは彼女との一切の連絡を禁じられ、亡くなったことすら知らされなかったのです。
世田谷に住んでいたころ、彼女の存在をときどき感じることがありました。「話がしたいんだなあ」と思っていると、電話がかかってくる。そんな感じでした。先生のおっしゃるように、また会えるでしょうか。彼女の好きだったキエシロフスキの映画、ひさしぶりに観てみようかな。
一緒に観てあげてもいいかも。
辛ければ無理せんで下さい。
時間軸というものは生きているものに対する
鎖ですから、
あなたの言う彼女の魂はその内ではないでしょう。
生きているものは声で伝えますが
声でしか伝える事が出来ないと言うものも
これも生きているものの制限ですよね。
あなたの声はソバにいるものにしか届かないかもしれませんが、
あなたの心は過去、未来にも届きます。
心の中の一つの思い、伝わらんと言う事はないです。
陰と陽があり、
気と形があります。
声という振動を起こす前の
無形の気で届けてあげればいいです。
話が出来ん事はないです。
無形の語らいは出来ないどころか
いつでも出来ます。
有形の語らいは、
求め合えば必ず出会います。
いつも誠実にお答えくださって、ほんとうにありがとうございます。
きょうの治療でも気を遣っていただいてるなあと申しわけなく思ったのですが、ブログに書き込みさせていただいてることと、先生と直にお会いしてお話ししていることとが乖離しすぎていて、わたしは話すのがよくよく苦手なんだなあと痛感したのでした。
無形の語らいということ、わたしはいつも意識しています。「語らい」というかぎりは双方向であるはずですが、わたしの耳には相手からの語りかけは届きません(ごくまれなケースを除いて)。でも、夢であったり、近所の犬の鳴き声であったり、新聞の文字であったり、いろんな形でメッセージが伝えられているような気がします。ときどきこういったことに振り回されすぎて何も手につかない状態に陥りますが、それでもずいぶん折り合えるようになってきたと思います。
それに比べて、有形の語らいは…(苦笑)。
生きているのだから、目の前の相手ときちんと有形の語らいを重ね、深めていきたいものです。
おはようございます。先生からのお返事を待たずに、つづけて書き込みさせていただくことにしました。けさ、ちょっと変わった夢を見たので。
すこし白っぽく濁ったお湯が溢れるお風呂に入っています。自宅のお風呂とは違うのですが、温泉やお風呂屋さんではなさそうです。ひのきの匂いがします。しばらくするとお湯が抜けてきました。わたしの前に入った父(故人)に「栓、ちゃんとしてなかったんでしょ!」と文句を言うと、父はしっかり栓をしていたはずだと言います。しかたなくもう一度お湯を張りますが、やっぱり抜けていってしまいます。
きのうの夜、親友が好きだった映画「ふたりのベロニカ」のDVDを観ました。劇場公開当時から勧められていたのですが、観るのは初めてでした。ドッペルゲンガーがモチーフになっていて、とても示唆に富んでいました。観ながらずっと親友のことを考えていたので、彼女が夢に現れてくれるかなあと思っていましたが、なぜか7年前に亡くなった父が現れました(たしかに映画にも、父と娘の関係が描かれているのですが)。父とのなにげない日常のやりとりを懐かしく思いました。父はわたしたちのことがよほど心配なのか、たびたび夢に現れます。一度、テーブルでテレビを見ているときに幻視したこともあります。お盆が近づいてきたので、様子を見に来たのでしょうか。
そんなわけで彼女には会えませんでしたが、ちょっとサプライズな朝でした。
hickoryさん、
仕事していると集中していて
感覚に身体を任すので
こちらも言葉が少なくなってしまいます。
申し訳ありません。
鍼を通して僕の意思は伝わるし
こちらも感じるもがあります。
言葉はそんなに重要ではありません。
ご安心下さい。
よかった。先生にそう言っていただけると、ほっとします。こちらの裏診療室(?)でもお世話になるようになってから、自分のなかでずっとわだかまっていたことが動きはじめたような気がします。お会いすると照れもあってなかなかお礼が言えないのですが、あらためて、ほんとうにありがとうございます。
週末からときどき雨が降って、少し過ごしやすくなりましたね。お腹が冷えているとのことでしたので、ビールを控えています。問題の食欲(笑)も少し収まりました。鍼を通して先生の意思が伝わったということでしょうか。ただ、さいきん食後に猛烈な睡魔に襲われるのです。椅子から転げ落ちそうになるくらいの。解決法があれば、教えてください。
脾胃が弱る事で食後に眠たくなります。
食後は脾や胃という臓腑に
気血が集まりますが、
弱ると余計に脾胃に気血が必要となり
頭に回らなくなります。
冷たいものを好んで飲まれるとまたまた
弱ってしまうので指導しました。
解決方法は上記のようにこの季節は冷飲を
控える事です。
それでも対処出来ないものは、
それはもう僕の仕事ですので
僕が鍼でどうにかします。
お任せ下さい。
ちなみに脾胃が損傷されると
hickoryさんの場合、舌の苔が白く分厚くなり
さらに進行すると黄色を帯びてきます。
先生、さっそくのお返事ありがとうございました。前回の治療後、ビールを断っているのが効を奏してきたのか、きょうは眠くなりませんでした。これからも冷たい飲み物は慎みます。
ふふふ、舌の状態までお見通しなのですね。お恥ずかしい。自分で見てもよくわかりませんが、なんとなく白いような気はします。分厚くなってきたら要注意ですね。