こんにちは、為沢です。
寒いですね。
暖房器具が活躍する季節ですが
使い方によっては、御体に悪影響を及ぼすので
気を付けて下さい。
(下野先生の記事 養生指導【電気アンカ】を参照)
他に、貼るカイロやコタツなど
一カ所に留まって暖めるものは特に要注意です。
どうしても寒い場合は、
厚着をして御過ごし下さいね。
では、足陽明胃経の屋翳(おくえい)を御紹介致します。
足陽明胃経
屋翳(おくえい)
乳房の隆起はちょうど「屋」のようであり、
「翳」とは鳩尾の大きな扇子のことであります。
屋翳は、胸の上部にあり、
乳房の垣根、屋根のようであることから、
屋翳と名付けられました。(針灸学[経穴篇]より抜粋)
庫房・屋翳・膺窓などは乳頭線上に取ると
経絡経穴の教科書には記載されています。
乳頭線は正中線より外4寸ですが、
男性の場合は胸筋の発達により個人差が出るので
これにこだわらず、取穴して下さい。
女性の場合も、乳房の発達により
きれいに正中線の外4寸となることはないので
個人差を意識して取穴をして下さい。
屋翳は、臨床的には施術穴としてよりも
診察点として使用します。
庫房の解説で胸脇苦満として出ることを御紹介致しました。
屋翳の場合も同様で、
肝鬱気滞による肝胆の弱り、
湿痰による脾胃の弱りから発症する場合がございます。
何度も言いますが
この辺りの深鍼は禁忌です。
鍼灸師の方は勿論、
学生さんも、学生同士で鍼の練習をする際は
充分に気をつけて下さい!
学生さんのために
庫房と変わらない解説になりましたが、
この辺りは庫房・屋翳・膺窓と並びが
ゴチャゴチャにならないように気を付けて覚えて下さい。
参考文献:
『針灸学[経穴篇]』 東洋学術出版社
『東洋医学講座 第六巻 取穴篇』自然社
『兪穴学』 たにぐち書店
『経絡経穴概論』 医道の日本社
為沢