明けましておめでとうございます。
新川です。
お正月休みに
実家へ帰省しておりました。
大阪に居るときでさえ
寒さに凍えていた私ですが、
地元のK沢駅に降り立った瞬間
(少し大げさですが)
気絶するほどの寒さ。
この地で走り回っている
姪っ子、甥っ子のパワーには驚かされます。
吹雪の中、甥っ子が
半袖で出て行きそうになった時は、
唖然としました。
(後で母親にこっぴどく叱られておりましたが)
さて今回は、
前回の
六味地黄丸の続きです。
六味地黄丸
六味地黄丸(前編)はこちらから
次に組成ですが、
熟地黄8、山茱萸4、山薬4
沢瀉3、茯苓3、牡丹皮3
(数字は割合)
熟地黄(ジュクジオウ)
養血薬
滋腎益精の作用を持つが、
粘膩の性質をもち
消化が悪くなるため
脾虚有湿・痰多気滞・
食少便溏(便溏=溏泄:大便が希薄なこと)
には使用しない。
山茱萸(サンシュユ)
収渋薬
(だらだら流れ出るのを固めて収める)
補益肝腎とあり
主に肝・腎に効果を発揮する。
山薬(サンヤク)
補気薬
補腎固精、縮尿、止帯
補気と養陰に働き、
特に脾肺の気陰を補う。
主にこの三薬にて、
脾、肝、腎の三陰を
補うことで
腎陰を補い易くしていくことが
狙いとしてあります。
了
参考文献:
中医臨床のための方剤学:(医歯薬出版株式会社)
中医基本用語辞典:(東洋学術出版社)
臓腑経絡学:(アルテミシア)
「サンシュユ」
早春の植物園で芽吹く前に黄色い花をたくさんつける木を見つけることができます。
「附子」
綺麗な紫の花を見せてくれるトリカブト…
有毒だけど使い方で薬にもなるんですネ (これは チャングムに出てきます。)
良く知っていた花ですが漢方として用いられていたんですネ~。
「附子」は六味地黄丸には含まれていませんでしたネ。
すみません<m(__)m>
「八味地黄丸」と比べて見ていたので書いてしまいました。
「桂皮」と「附子」を抜いて「六味…」
「八味地黄丸」は年配の男性の薬と勝手に思い込んでいたので 「六味地黄丸」が小児の発育不良に…ということでしたので調べてみたくなりました。
漢方の効能と針灸ということで、今回は経穴は出てこないのですか?楽しみにしていたのに
mavieさん
コメントありがとうございます。
外に出かけて実物を見ないと、
机の上だけの勉強だといけませんね。
仰る通り、附子は
八味地黄丸に配合されておりますが、
毒性がほとんど出ない様
工夫されておりますので
ご安心下さい。
漢方の効能と針灸ということで、今回は経穴は出てこないのですか?
A.六味地黄丸の場合ですと、
腎陰虚を補うのであれば、照海
などが挙げられますが、
具体的な経穴名を表示すると、
六味地黄丸=○○穴と
処方をマニュアル化してしまい
本来の鍼灸治療から
逸脱してしまうのではと考え
今回は控えさせて頂きました。
臨床的にいえば、
経穴にとらわれず
御体の状態を見極める事が肝要ですが、
機会があれば少しづつ紹介していきますね。
コメントありがとうございます。
新川先生から返事があったようですが、
横で見ておりましたので私から
補足させて頂きます。
腎陰を補うので経穴では
照海を使う事がことが多いです。
六味地黄丸では陰分を補う事によって
滋滞することがないように
工夫されていますが、
これを素直に鍼灸術に転換するとなると、
陰陵泉や三里等で利湿しながら行うべしということに
なります。
しかし、臨床的には湯液と違い、
しっかりと 証にあった処方であれば、
過ぎたる効果は出ずに、
きちんとおさまる事が多いです。
実際、腎陰虚のものに照海をし、
滋滞したとなると往々にして、
置鍼時間が長い、
あるいは鍼の表現がまずいといったことに
ないかと感じています。
ちなみに陰分が枯渇しているといえども、
陽気が落ちて陰陽両虚になった段階のものもあり、
しっかりと弁別すべきです。
与の様な時は
陽主陰従をかかげ 太谿で腎気に
意識して陰血を助ける。
或いは、
陰谷穴で腎陽を鼓舞して結果として
腎陰を補う。
こういうように立体的に生体へ
鍼を置くべきです。
我々には切経という
素晴らしい診断術があるので
しっかりと患者の経穴に語りかけ、
陰血、陽気、邪の存在を
その手指に感じることで素晴らしい
表現が出来ます。
どうでしょうか。
臨床的にはそういう所を考えます。
お忙しいところ丁寧に
ご返事いただきありがとうございます。
勉強になりました。
これからも楽しみにしています