こんにちは、為沢です。
今回より、手陽明大腸経の解説に入ります。


手陽明大腸経
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商陽(しょうよう)
大腸経の井金穴
井穴ですので、非常に敏感な経穴で、
清熱作用が強く、大腸経の清熱や
金穴でもあるため、表裏関係にある肺経にも作用します。
刺絡による清熱も可能です。
表熱をよく改善でき、
悪寒がなく、頭が痛く喉が痛い場合に用います。
降気作用もあり、
肺・大腸の清熱とともに
気を引き下ろす作用もあります。
井穴や滎穴などに
ササクレ・タコ・イボ・魚の目などができるが
臓腑が悪い場合や、経絡経筋が悪い場合にでる事が多いです。
私は最近、湧泉(ゆうせん)に魚の目ができてしまいました。
この場合は腎の弱りですね。
湧泉は腎経の時に解説致します。
二間(じかん)
大腸経の滎水穴
間とは間隙のことで、
大腸経の2番目の経穴であることから
二間と命名されました。
主治は商陽と同じく降気作用があります。
歯痛に効果的な経穴で、
大腸経の流注からみると下歯によく効きます。
歯痛といっても痛みの出方で、
施術の仕方を考慮しなければいけません。
虚実や寒熱をしっかり見極めて下さい。
三間(さんかん)
大腸経の兪木穴。
大腸経の3番目の経穴であることから
命名されました。
2番目、3番目…。
経穴たくさんある中で、
ここだけ何か釈然としないんですよね。
各々名前の由来があるのですが
二間、三間は手抜きな感じが…(笑)
古人に失礼なこと言ってしまいました。
作用は二間と合谷に準じます。
(合谷の解説は次回になります。)
井穴の圧痛で経絡の異常を診る
井穴診という診断法があり、
大腸経は商陽だけでなく、二間と三間でもよく反応が診れるので
圧痛があれば、大腸経の異常があることがわかります。

学生さんのために

解剖学の基本肢位は上記の画像のように
掌を前方に向け、ぶら下げた姿勢になります。
二間の取穴部位は
「第2中手指節関節の、𣓤側陥凹部」になります。
三間は
「第2中手指節関節の、𣓤側陥凹部」になります。
気を付けて下さい。


参考文献:『針灸学[経穴篇]』 
       『臨床経穴学』
       『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
       『臓腑経絡学』      アルテミシア
       『基礎中医学』      神戸中医学研究会
 為沢

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