それ五藏内に病むときは即ち五色外にあらはる、
面青きは腹中いたみなり、
赤きは腹中に熱あり、
黄なるは脾胃のよはき也、
白きは腹中の寒なり、
黒きは腎のやぶれなり、
酒をのまずして酔いたる如くなるは神気の不足なり、
手足の指、のび、節あひすきたるは病を得て
遅くいゆる、
此の如く外より望み見て腹中の病をしるを
望といひ神という。
酒をのまずして酔いたる如くなるは神気の不足なり、
というところが非常に臨床家だなと思います。
まさにそうで
肝火だとか脾胃の熱などの邪実と捉えて処置しても
一向に根治せず、
むしろ生気を傷ることもあります。
この裏には必ず生気の虚損があり、
虚がゆえの症状であることが多い。
特に下焦の弱った生体は、
重りのかるい振り子がよく揺れるように
その虚火が上にあばれるのです。
脈もまた然り。
緩や洪といった脈を呈した場合に
果たしてそれが邪実として簡単に捉えて良いかと
いうことです。
その裏に何があるかということです。
臨床家は時間軸を前にも後ろにも自在に
行き来できなければならんと思います。
毎日学ばせて頂きます。