世の中には、我々、鍼灸師の他に、柔整師(柔道整復師)、
按摩・マッサージ指圧師、カイロプラティック、
整体などといった業職が存在する。
柔整師と整体師の区別が曖昧なため混同されたり、
専門家でもなければ、その違いがはっきりわからないと
いったところが、実際のところではないかと思う。
ここで一度、これらの違いを比較し、紹介してみようと思う。
よく聞く名称でも、実は無資格であり、
全くの素人がその業務を行っていたり、
世間ではあまり知られていない
「ここだけの話」「実際の話」が存在する。
①鍼灸師:国家資格
業務を行うのに国家資格が必要。
認可の学校を修了し、厚生労働省の国家試験を受けなければならない。
ここだけの話:
「はり師」と「きゅう師」は別の資格で同時に受験できるが、
各々の試験科目が存在するため、
鍼灸師ではなく「はり師」だけ「きゅう師」だけの資格者も
存在する。
②按摩・マッサージ指圧師:国家資格
上記の鍼灸師に同じように認可の学校を卒業し、
国家試験に合格しなければならない。
ここだけの話:
世間では、マッサージ師という名称が
簡単に使われているが(足裏マッサージや、時に風俗)、
実はこれもれっきとした国家資格である。
駅前などで行われているマッサージと称するものは、
無資格者が行っている、違法行為が多い。
もちろん、風俗やエステで無資格者が行っているものも違法。
マッサージという名称は、資格者しか使用する事は本来出来ない。
全然摘発されないので、このようなことが横行している。
③柔道整復師(柔整師)国家資格
こちらも認可の学校を卒業し、国家試験に合格しなければならない。
保険治療が可能である。
無資格の整体師と混同されやすい。
④カイロプラクティック(カイロ):無資格
アメリカで生まれた手技。
しかし日本では決められておらず、資格がないので、
今日からでもカイロプラクターであると誰でも名乗れる。
民間のスクールがあって、そこで学ぶ。
⑤整体:無資格
業務などに資格などは必要ない。
無資格で整体師と名乗れる。
個人的に勉強したり、学ぶ。
整体とカイロは資格がないため、実は誰でも、今日からでも開業出来る。
よくこれらの施術所では、免許状などが掲げられているが、
これは国が定めたものではなく、民間のものが修了時に
発行したものであって、きちんとした免許ではない。
そのため、国家資格の柔道整復師などといつも混同されるが、
そこに大きな違いがある。
私見:
カイロにしろ、整体にしろ、
治療ではないからという逃げ文句で業務を行っている
実態がある。
人を診る以上、柔道整復師や鍼灸の免許を取得するなど、
きちんと勉強をしてからすべきであると考える。
また、その覚悟、努力も出来ないようでは果たして
人を診れるのかな。と思わざるを得ない。
本当に整体をしたいから カイロをしたいからと
鍼灸の免許を取得した人も知っている。
中には本当にカイロや整体を学びたいと思っている人も
いるでしょう。
現状では、そういう人たちも埋もれてしまう。
整体やカイロが国家資格になることを私は望んでいる。
きちんと 国家資格として認められ、
それを業とするには、それ相応の努力をする。
その努力が出来ないものは、それを業とは出来ない。
そういうシステムがないとまずいでしょう。
今のままでは、必死に勉強して免許を取った
我々も、無免許のものと混同され
やっと取得した免許の名称も自由に使われているのだから。
なんのために取ったの?
なんのための国家資格?
なんでそれら無免許のものと混同され胡散臭いと言われなくては
ならないの?
と正直なところ思ってしまうし、怒りがこみ上げる。
今の現状は、議員が絡んでるやら、利権が絡んでるやら
いろいろと噂はあるが、
どうにかして欲しい。
その現状、実に混沌としている。