〇初心者におすすめ
鍼灸師入門者、東洋医学のことを少し本格的に知りたい方対象。
大変解りやすく解説してありますよ。
やさしい中医学入門

出版社からのコメント
関口善太著/A5判並製200頁(本体2,600円+税)/入門時に誰もが戸惑う中医学の特異な発想法を,爽やかで楽しいイラストと豊富な図表で親切に解説する。3日間で読める中医学の入門書。本書に続いて『中医学の基礎』に入るのが中医学初級コース。
抜粋

はじめに
 私が今回この本を著述しようと考えたきっかけは,日本ではまだ中医学を学べるシステムが確立されておらず,かといって独学で学ぼうと思っても,初めての人に適したやさしい入門書が見当らなかったことがあげられます。
 よく現代医学はミクロを分析する医学であり,中医学は人体を全体的に見るマクロの医学だといわれます。私はこのマクロの医学を学習するには,マクロの観念である統一観念や系統観念が身につくように,常に全体のつながりを考えながら,各部分を学習することが必要だと考えています。
 何故なら,中医学の内容が豊富すぎるため,独学では全体のつながりからみて,重要な部分とそうでない部分が区別できず,興味のある部分は詳しく知っているが,そうでない部分はあまり知らないという人が多いように感じたためです。このような人が臨床にあたると,自分の知っている部分からしか判断ができないので,かたよった診断をしがちになります。
 例えば,病邪が人体を障害した場合の病証は実証であり,瀉法を施して治療することは知られていますが,これと同じような症状が出現していても,臓器機能が減退している場合の病証は虚証なので,補法を施して治療しなければなりません。しかし診断にあたって生体生理の知識は充分であっても,病邪の知識が不充分であると,虚実の判断ができずに,病証はすべて虚証にみえてしまいます。このことは私自身が中国で臨床実習した際に体験した問題であり,帰国いらい講座や臨床で指導してきた経験からも,日本で独学している人に共通した最も多い問題点であると思います。
 そこで私がベストと考える中医学の学習方法は,始めは最低限のことだけでかまわないから,とりあえず基礎生理から弁証までを通して学び,全体のつながりが分かってきたところで,内容を深めて再度基礎から学習し直すという方法です。
 本書は中医学の基礎生理を学ぶためのものですが,最初に中医学全体の構成を把握してもらい,臨床にあたるまでにどれだけの内容の習得が必要であるかを知ってもらうように配慮しています。そして基礎生理の学習については,中医学全体のつながりを考慮したとき,最低限必要だと考えられる範囲にしぼって学べるようにしたつもりです。
 初めて中医学に接する方々に,少しでもわかりやすく学習できる本になれば幸いです。


〇少しつっこんで学びたい人用
鍼灸専門家対象。
とても解りやすく、またその分類も読んでいて迷うことがない。
大好きな一冊です。お薦め。
僕も購入当時、えんぴつを一本持って
お風呂の中でも読んでました。
中医病因病機学

抜粋
序 文
 宋鷺冰教授主編の『中医病因病機学』は,中医病因・病機学における学術成果を,系統的かつ余すところなく継承した著書であり,本学科における学術レベルの高さを示すものです。本書を広範な読者の皆様にご紹介できることは,本書のプロデュースに携わった者の一人として,喜びに耐えません。
 分化と統合とは,科学を発展させるために不可欠な要素であります。中医学は,『内経』および『傷寒雑病論』が登場するに及び,中国医学史上第一段階の統合を果たすとともに,天人相応論という総体論と,弁証論治とを統合することにより,科学的な医学体系を作り上げました。そして仲景以降,隋,唐に至るまで,科学・文化の発展にともない,中国医学は一貫して科学的分化を発展させてきました。その結果,『諸病源候論』のような,病因病機学の専門書を生み出し,13の臨床学科を創設しました。統合と分化は,中国医学の発展を促すとともに,これを地域的な民族医学から,東洋の医学へと押し上げました。
 ところが,唐,宋以降は,中薬学と温熱病学が発展したほかには,これ以上の細分化や高度な統合は見られなくなりました。中医学は,中国文化と共生してきたという歴史の制約を受けているために統合性は高いが,分化という面,特に理論面での分化は,立ち後れています。それが中医学の発展を遅延させる一因ともなっています。
 古代に形成された原初的理論を系統的に整理・研究し,専門書および新しい学科を創設し,中医学をさらに細分化することは,研究を促し,人材を養成して,中医学全体を発展させます。そしてこれこそが,本書を編集した目的であります。
 いかなる科学も,過去業績を継承することによってはじめて発展します。しかし,継承は目的ではなく,科学発展のための手段にすぎません。多くの専門家,老中医,青年中医が一堂に会し,テーマを選び,整理研究と討論を繰り返すことは,古代医学家と現代の専門家の経験を継承し,人材を養成するための有効な手段となります。『中医病因病機学』は,このような方法によって目的を達成しようとするものです。
 ただし,科学研究とは,とりもなおさず創造的な作業であります。中国医学を継承発展整理・向上させることは,長い年月を要する壮大な事業であり,本書だけで完成できるものではありません。したがって,本書は,千年の梅の古木に生えた若木のような,わずかな成長の兆しでしかありえません。私たちは園丁のような気持ちでその若木を守り,水を注ぎ,剪定し,科学というフィールドでたくましく育てていきたいと思います。
             1983年9月 蓉城にて    侯 占元

4 コメント

  1. 買っちゃいましたか
    鍼灸医学書破産しないようにしてくださいね笑
    でも、良い本ですよ。
    学生時代に私も買いましたが、
    早朝のアルバイトで
    5000円貯めては5000円ぐらいの専門書を買い、
    また貯めては買いの、
    恐ろしい生活をしていました。
    いったいどうやって生きていたのか。
    今となっては自分でも謎です。
    当時、実家にいたので食うには食えたのですが、
    なんとかやっていけるもんですね。
    ははは
    また、感想聞かせてください。
    kkskrさんも良い本があれば、
    カテゴリー「お尋ね 教えてください」内に
    専用のページを用意してあるので
    また、コメントください。
    我々にとって、良い本に巡り合うことは、
    本当、出会いですね。

  2. 私も開業当初などは、本を買えなかったので図書館で借りていましたね。
    絶版の書も取り寄せて読めるので助かります。

  3. 中医学 について

    中医学中医学(ちゅういがく)とは、現代の中華人民共和国で漢方医学から引き続き行なわれている医療体系のことである。西洋医学の医療と異なる。* 漢方(漢方薬) 薬膳 鍼灸(鍼、経絡) 推拿 中国における手技療法、マッサージ。古くは按摩とも。日本の按摩とは、その形

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