熱証のものにたいして虚熱か実熱かで悩む。
虚、実と聞けば単純だが。
実際、大いに悩むことが多い。
虚あらば邪実は当然あるのだから
病体を虚実に分けることには意味がなく
その盛衰を把握し、現時点で扶正すべきか去邪するべきかの手段を決定すること
に非常に意味がある。
また必要なことである。
ようするにどちらが中心でどちらが枝葉なのか。
ということである。
今一度、教科書を紐解いてみた。
虚熱 実熱の症状について教科書的にあげると


実熱
 比較的イメージしやすいと思う。
 発熱、口渇、顔面赤潮、大便が硬くなる、
 尿が濃く少ない。あとは煩躁やら
 紅舌
 目の充血
 脈が細数 など
虚熱
 五心煩熱。これは手足の裏がかっかと火照ること。
 頬部が赤くなる。
 潮熱 微熱
 紅舌
 盗汗
 脈細数 
 口や喉の乾燥
 苔は乾燥して少なくなる。
実熱には、煩躁とあるがこれはどうだろう。
内熱があれば状況的に出てくるものだと僕は思うのだが。
まぁ、苔にしても虚熱が少苔と言っても、湿との兼ね合い、他臓腑との兼ね合い
が大きいから、
まぁ 相対的にそうであるということです
ね。
実熱の目の充血にしても臨床的には肝火との関係性、
また それに伴う心 や小腸の鬱熱、
また それらと下焦とのバランスをみることの方がよっぽど重要なのだから。
なんだか 腑に落ちない。
あたり触りのないことばかり列記してある。
なんだかなぁ。
脈も異論あります。
実熱は滑脈のようにころころしていたり、
肝の鬱熱ならば 関上に緩に滑を含んだような脈だったり、
あるいは それに浮位に若干のショク脈のようなものを呈している
ことの方が多いと思います。
臨床では、あまり、細数で実熱みないなぁ。
虚熱にしても 裏が弱って熱が勝つのだから
浮緩の状態で出ているものの方が多いと思います。
どなたか臨床家の方、
これに対してコメントあれば書き込んでください。
陰陽や虚実、病態把握は湯液の方がよっぽど洗練されているように思う。
違う観点から攻めてみたいと思う。

10 コメント

  1. 私の場合は虚熱、実熱と言う分類を使わないのですが、確かにこの記載は改めてみると腑に落ちない所ですね。
    特に実熱の「細数」
    実際は浮緩が多いですね。

  2. お、そう思いますか。
    ありがとうございます。
    たぶん、陰分の不足ということで
    細としたのでしょうね。
    しかし 実際は陰が虚すと同時に
    陽が自然と勝ち、体は陽に偏るのですから、
    緩脈出てくるでしょう。
    数も実際はかなり虚損のものに多いように感じます。
    また、心気が安定しないもの。
    kkskrさんの流儀では、熱をどこで判別しますか、
    問診でもちろん熱の所見が出るでしょうが、
    どこで大きく寒熱を判別しますか?
    迷うことあるでしょう?
    真熱か仮熱か。根底に寒があるのではないかと。
    舌? 経穴?
    脈?
    昔、昆健一郎先生に質問した時、
    熱があればフケが出るとアドバイスを頂いたことがあります。

  3. 早いお返事ですね^^
    まだ、PCの前に居ましたよ。
    私の師匠は脈で殆どを決める方でしたので、私もその流儀になります。
    熱があればフケですか
    面白いですね。
    以後観察してみます。

  4. お~督脈!
    これは確かに明確に出ている場合多いですね。
    必ずではありませんが大きく変動している経絡の兪穴と横並びの穴。
    そんな時、私は灸してます。

  5. へぇ。
    灸しますか。
    僕は 銀のテイ鍼などで寫法を施すことで
    熱をとることが多いです。
    ひとつ疑問があります。
    単純に考えて 熱を熱(灸)で捌いていることになりますが、
    それで 余計に熱をこもらせてしまい失敗することはありませんか?
    僕は 熱証のものに対して どうしても
    灸をすることをためらってしまいます。
    直感的に。
    傷寒論にも熱証のものに対して、灸治を戒める
    条文が出てくるように思いますが、
    そのあたり どのようにお考えですか?
    例えば ある段階では熱を与えてしまうが、
    或る段階、例えば多壮灸によって逆に
    熱を取る事が出来るなど、
    工夫されるのでしょうか。

  6. >傷寒論にも熱証のものに対して、灸治を戒める
    私は半米粒以下の点灸を焼ききることが多いです。全身の熱証でも、経穴の性質に従えば、ほぼ問題ないと思っています。
    しかし、灸の場合はたまに逆に働く場合もあるようですので、完全ではありません。
    僅かですが寫したつもりが補になっていたりすることがあります。

  7. お返事ありがとうございます。
    参考にさせて頂きます。
    僕は今、経穴の左右差に対して
    灸でどのようにアプローチすれば
    うまく経穴を動かせるかをいろいろ調べています。
    感謝いたします。
    このコメント読みづらいですね。
    改善の余地あり です。

  8. こんにちは。
    私は、手足の先は冷えていますが、腹は暑いような感じがします。冬でも、目覚めると腹を出したままになっていることがよくあります。
    熱感に偏りがあるようです。

    • はい、そうですね。
      体内に熱が籠もっているのに、手足の末端が冷えることはよくあります。
      体内に熱が籠もった感じは本人の直感でわかりますが、
      気血の循環が悪く末端にまで届いていないと
      手足は冷えますので、
      一見矛盾しているように思えますが、よくあることです。

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