この傷寒論のシリーズは、
当院の修行生によって毎週、水曜日の早朝に開かれる、
自主的な勉強会におけるメモ・備忘録となります。
古典の専門家によるものではなく、
一から学ぶ者の新鮮な目線を共有出来れば幸いに思います。


8/16(水)
太陽病中篇より

(115条)
脉浮、熱甚、而反灸之、此為実。
実以虚治、因火而動、必咽燥、吐血。

本条の内容は、
熱が甚だしいときに灸をすると実証となるが、
この実証を虚証と誤ってとらえて
さらに灸を行うなど火を用いる治療を行うと、
必ずのどが乾燥し吐血するという内容である。

火によって熱がさらに甚だしくなることで
陰液が損なわれるためである。

この時代の灸というのは
現代の米粒大といったものではなく
親指大ぐらいの大きなものだったようである。
(江戸時代の後藤艮山という医師が、米粒大の灸を始めたとされている。)
そのため、灸によって熱邪が形成されやすく、
灸による誤治を起こさせないように注意喚起した内容である。
灸の歴史について、もっと掘り下げても面白いかも知れない。

(続く)


参加者:下野、新川、大原、盧

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