<近日開催予定のイベント>
8月20日(日):第五回、鍼灸学生の為の勉強会〜【医古文・漢文の読み方No.2】〜
こんにちは。盧です。
最近、蟬が気温によって鳴くか鳴かないかを決めている
と誰かにうかがいました。
いまは朝方や雨の後に良く鳴いているイメージがありましたが
自分の小さかったころはまだ気温が30℃になると
ニュースでトピックになっていました。
そのころは昼間にも鳴いていたような気が・・・
そんなことを思いながらあついな〜あついな〜と言っていたら
ふと隣の方から聞こえる風輪の音色に涼まされました。
それでは本題です。
ここでは五行は現代でよく見る連環の形でなく
素問からの引用では土が中央であるとされています。
帝曰、脾病而四肢不用何也。
岐伯曰、四肢皆稟気于胃、而不得至経、
必因于脾、乃得稟也。
今脾病不能為胃行其津液、四肢不得稟水谷気、
気日以衰、脈道不利、筋骨肌肉、皆无気以生、故不用焉。
帝曰、脾不主時何也。岐伯曰、脾者、土也、治中央、
常以四時長四蔵各十八日寄治、不得独主于時也。
脾蔵者、常著胃土之精也、土者、生万物而法天地、
故上下至頭足、不得主時也。
帝曰く、脾 病みて四肢用いられざるは何ぞや。
岐伯曰く、四肢 みな胃に気を稟(う)くれども、経に至るを得ず、
必ず脾によりて、すなわち稟(う)くるを得るなり。
いま脾病みて、胃のためにその津液をめぐらすこと能わざれば、
四肢 水穀の気を得ず、気衰えるをもって日し、
脈道利せず、筋骨肌肉、みな生ずる気なし、ゆえに用いられざる。
帝曰く、脾 時を主どらずは何ぞや。岐伯曰く、脾は土なり
中央を治め、常に四時をもって四蔵に長じ、
各十八日をもって寄治し、独り時に主どるを得ざるなり。
脾蔵は常に胃土の精を明(あきら)むるなり。
土は万物を生じて天地に法る。
故に上下して頭足に至り、時を主どるを得ざるなり。
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脾が病むと四肢に症状が出るのは
胃が水穀を受ける仕事を行えても
脾が四肢までめぐらすことができないからである。
また春は肝、夏は心、秋は肺、冬は腎と四蔵と四季が対応
するのに脾には対応する季節がない、
これは五行において脾が中心におり、季節の変わり目ごと
いわゆる土用に脾が対応するため季節に対応しないという。
参考文献
『脾胃論』人民衛生出版
『黄帝内経・素問』東洋学術出版
※『脾胃論』は金元四大医家と言われた
李 東垣(り とうえん)の名著です。
興味を持たれた方はぜひ原文をあたって下さい。