<近日開催予定のイベント>
8月20日(日):第五回、鍼灸学生の為の勉強会〜【医古文・漢文の読み方No.2】〜
「あつものも湯茶も、
多くのむべからず。
多くのめば脾胃に湿を生ず。
脾胃は湿をきらふ。
湯茶あつものを
飲む事をすくなければ、
脾胃の陽気をさかんに生発して、
面色光りうるはし。」
貝原 益軒『養生訓』より
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下野です。
本日は『養生訓』から
特にこの時期に関係した内容です。
では冒頭文を現代語訳してみますと、
「吸い物、お湯、お茶の飲み過ぎはいけない。
多く飲むと、脾胃に湿が生じる。
脾胃は湿を嫌うからである。
吸い物やお茶の飲む量が少なければ、
脾胃の働きは活発になり、
顔の色艶もよくなる。」
となります。
この文章では、
お吸い物やお湯となっていますが、
水分の摂りすぎはよくないよ
と言っております。
その理由が、
水分を摂りすぎると
脾胃に負担をかけ、
その結果体に湿を溜め込みやすくなるから
と考えております。
ちょうどこの夏時期は
熱中症対策もあり、
現代では「1日○ℓ摂りなさい」というのが
一般化してきていますが、
中には そんな水分を取ると
体調を崩すきっかけとなったり、
水分を摂りすぎると気持ち悪いや、
それだけでお腹がイッパイになる
とおっしゃる方もおられます。
これは体にとっては
負担となっていることを
教えてくれているサインであり、
これを無視して摂り続けると
体調を崩すこととなってしまいます。
やはり人それぞれ
臓腑の強さは異なるので、
その方にあった水分の補給というのが
重要となります。
お気をつけください。
下野
<参考文献>
『養生訓』 貝原守一博士校訂本
『口語 養生訓』 日本評論社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
下野