【原文】
脾胃之虚、怠惰嗜臥、四肢不収、時値秋燥令行、
湿熱少退、体重節痛、口苦舌干、食无味、
大便不調、小便頻数、不嗜食、食不消。
兼見肺病、酒淅惡寒、惨惨不楽、面色悪而不和、
乃陽気不伸故也。当升陽益胃、名之曰升陽益胃湯。
【書き下し】
脾胃の虚、怠惰嗜臥、四肢収まらず、時 秋燥にあいてめぐらしめ、
湿熱少し退き、体重く節々痛み、口苦し舌干き、食して味なく、
大便調わず、小便頻数、食を嗜(たしな)まず、食消えず。
肺病を兼ねて見、酒淅惡寒し、惨惨として楽しまず、
面色悪く和さず、乃ち陽気伸びぬ故なり。
まさに陽を升らせ胃を益すべし、
名付けて曰わく升陽益胃湯。
【現代語訳】
脾胃が虚すと、体がだるく横になりたがり、四肢は収まらず、
秋になると、湿熱が少し減り、体の節々が痛くなり、
口は苦く舌は乾き、食べても味がせず、大便が乱れ、
小便の回数は増えて、食欲がなくなり、お腹に食べ物が残る感じがする。
肺の病を兼ねて、寒気がして、わびしいようで楽しみがなく、
顔色は悪い、つまりは陽気が伸びないためである。
こういうときは陽気をのぼらせて胃を助けるのがよい。
名付けて升陽益胃湯という。
ここでは脾胃が病む事で肺に影響した場合について述べる。
参考文献
『脾胃論』人民衛生出版
※『脾胃論』は金元四大医家と言われた
李 東垣(り とうえん)の名著です。
興味を持たれた方はぜひ原文をあたって下さい。