こんにちは、新川です。
先日、ふと思い立って、名古屋に行ってきました。
近鉄特急に揺られ、名古屋に到着。
地下鉄に乗ったんですが、
駅員の方々の対応が素晴らしいのです!
行き先を尋ねると、とても丁寧に熱心に教えて頂きました!
名古屋ええとこです!
さて、今回は、
黄帝内経素問 玉版論要篇 についての記事です。
今回は、玉版論要篇について綴って参ります。
本来ならここにまとめてある以上の内容がありますが、
なるべく分かりやすくするため、
一部を抜粋して表現させて頂いております
【玉版論要篇 第十五】
黄帝が問う。
「私は揆度・奇恒の方法を聴いたことがある。
運用する場面は多いのだが、
それぞれの場合ごとに指し示すものが異なっている。
いったいどのように運用するものだろうか」
岐伯が答える。
「一般には
『揆度』とは疾病の深浅をはかることをいいます。
『奇恒』とは疾病が普通の状態と異なっているかどうか
弁別することをいいます。
先ず、病気を診察するときの重要な道理である色と脈のことからお話しさせてください。
五色と脈象の変化を観察して、
疾病の深浅と普通であるか否かを判断するのには、
道理はたった一つしかありません。
つまり、色と脈との上で神気があるかないかです。
人体の気血は四時の流れの順に随い、
永遠に前に向かって動いており、
もどることはありません。
もし、もどるようなことになれば、
動いてゆくことができず、
生命の機微は失われてしまいます。
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●神転不回、回則不転、乃失其機。
(神は転ずるも回らず、回れば則ち転ぜず、乃ち其の機を失す)
王冰の説によると、
「血気とは神気である。
八正神明論篇に
『血気は人の神である、謹んで養うべきである。』という。
いったい血気は四時に順応して、
次々に王となり囚となって、五気を循環し、
その順序を相い奪い合うことはない。
これが神は転じて回らずということである。
回とは却き行ることをいう。
血気は旺んな気に随うのであって、
却き行るべきではない。
却き行ることは、常に反していることである。
常に反するのは『回って転じない』ものであり、
『回って転じない』ものでは生気の機微が失われるのである」
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この道理は非常に重要で、
色と脈を診るのは簡単なことのようですが、
その微妙なところは神の機微にかかわっています。
これを玉版の上に記録し、
玉機真蔵論と併せて参考にするべきです。
「顔色の五色の変化は、上下左右の異なる部位に現れます。
その深浅・順逆の要点を判断すべきです。
たとえば、色が浅くに見えるものは、
病は軽く、五穀の湯液を用いて調えることができ、
約十日でよくなるでしょう。
色が深くに見えるものは、
病は重く、薬剤を服用させて治療をしなければならず、
約二十一日かかってやっと回復するでしょう。
もしその色が極度に深くにあれば、
その病はさらに重症であり、
必ず薬酒を用いた治療が必要となり、
百日前後の経過を待てばどうにか全快することができましょう。
もしも神色がなくなり、
顔がげっそりやつれていたら、治すことは不可能で、
百日たてば死に至るでしょう。
このほか、脈気が短促で陽気の虚脱してるものは死に至るでしょう。
温熱病で正気が極めて虚しているものも死に至ります。
「顔色は上下左右に現れます。
必ずその要点を観察し弁別すべきです。
病色が上に向って移るのは逆です。
下に向って移るのは順です。
女子の病色が右側にあるのは逆で、
左側にあるのは順です。
男子の病色が左側にあるのは逆で、
右側にあるのは順です。
もし、顔色が変わって、
順が逆となると、それは重陽・重陰になってしまい、
重陽・重陰の予後は不良です。
もし、陰陽がたがいに反する様子があれば、
急いで病状の軽重をはかり、
適当な治療方法を選択決定して、
陰陽のバランスを調えさせます。
ここに『揆度・奇恒』の運用があるのです。」
黄帝問曰、余聞揆度奇恒。所指不同。用之奈何。
岐伯対曰、揆度者、度病之浅深也。
奇恒者、言奇病也。請言道之至数。五色脈変、揆度奇恒、道在於一。
神転不回、回則不転、乃失其機。至数之要、迫近以微。著之玉版、命曰合玉機。
容色見上下左右。各在其要。
其色見浅者、湯液主治。十日已。
其見深者、必斉主治。二十一日已。
其見大深者、醪酒主治。百日已。
色夭面脱、不治。百日尽已。
脈短気絶、死。
病温虚甚、死。
色見上下左右。各在其要。上為逆、下為従。女子右為逆、左為従。男子左為逆、右為従。
易、重陽死、重陰死。陰陽反他、治在権衡相奪。奇恒事也、揆度事也。
搏脈痺躄、寒熱之交。脈孤為消気。虚泄為奪血。孤為逆、虚為従。
行奇恒之法、以太陰始、行所不勝曰逆。逆則死。行所勝曰従。従則活。八風四時之勝、終而復始。
逆行一過、不復可数。論要畢矣。
参考文献:
『黄帝内経素問 上巻—現代語訳』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『臓腑経絡学』 アルテミシア