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7月9日(日):第四回、鍼灸学生の為の勉強会〜【医古文・漢文の読み方】〜 7/9 詳しくはこちら


この傷寒論のシリーズは、
当院の修行生によって毎週、水曜日の早朝に開かれる、
自主的な勉強会におけるメモ・備忘録となります。
古典の専門家によるものではなく、
一から学ぶ者の新鮮な目線を共有出来れば幸いに思います。



6/28(水)
太陽病中篇より

(106条)
太陽病、不解、熱結膀胱、其人如狂、血自下、下者愈。
其外不解者、尚未可攻、当先解外。
外解已、但少腹急結者、乃可攻之、宜桃核承気湯。

条文の意味として、
太陽病が治らず、膀胱に熱邪が結ばれ血分に熱が入り、
心神が侵されることで「」となり、血が下るが、
熱邪が下れば癒える。

太陽病が治っていない場合は、
膀胱や血分にある熱邪を攻めてはならず、
太陽病を治すべく桂枝湯を用いるべきであり、
太陽病が治っていて少腹急結がある場合は
膀胱、または膀胱から
さらに裏(小腸)に熱邪が入り混んでおり、
桃核承気湯を用いる。

一見、表証(太陽病)と裏証(熱結)の二つの症状があり、
先表攻裏の原則について述べられているようにも見受けられる。
しかし、実際には
病位が表か、膀胱、小腸にあるのかを
見極めることが重要であるという内容のようである。

太陽病が治らず、熱が下焦へ蓄積するのは
どのような場合なのだろうかを考察することも大切だろう。

桃核承気湯は、
105条などに出てくる腸胃承気湯に桂枝、桃仁を加えたもので、
桃仁は瘀血・小腹満痛を治し、
桂枝は気の上衝を治し、桃仁を助ける作用がそれぞれある。

少腹急結」の「急結」とは、
一時の急逆で血証であることが多いということのようである。
桂枝が用いられる理由は、この急逆を治すということだろう。

さて、瘀血を治す他の方剤に
桂枝茯苓丸が有名であるが、
桃核承気湯との違いは何だろうか?
金匱要略を紐解くべきであるが、解説本から、
桂枝茯苓丸は癥瘕、すなわち
臓腑と経絡の間で結ばれている瘀血などの邪を
取り去る作用があるようであり、
桃核承気湯よりも作用が強いのではないだろうか。
また、抵当湯も瘀血を治すが、
この後の124条、125条にあり、少し確認すると
小便の状態が鍵となりそうである。

(続く)


参加者:下野、新川、大原、盧

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