神戸臨港線跡
神戸臨港線跡

下野です。
先日、神戸の春日野道付近を歩いていると、
不思議な空気感のある遊歩道に出くわしました。
興味が湧き、どんどん歩いて行くと
鉄道の標識?らしきものや架線跡のようなものがあり、
そこにかつて鉄道が引かれていたことがわかりました。
重工業の街 神戸の基礎を作り、
発展に一役かっていたのでしょう。
御興味のある方は、是非散策してみて下さい。

では『諸病の主薬』の記事に参ります。


【原文】
口舌生瘡、須用黄連、為主。
牙痛、須用石膏、升麻、為主。
眼腫、須用大黄、荊芥、為主。
眼中雲翳、須用白豆蒄、為主。
翳瘴昏暗、須用、熟地黄、為主。
咽喉腫痛、須用桔梗、甘草、為主。

<第二十三に続く>


【解説】
口内、舌に瘡を生じる(口内炎)ものには、黄連を使用すべし。

歯の痛みには、石膏、升麻を使用すべし。

眼腫には大黄、荊芥を使用すべし。

眼の曇りには、白豆蒄を使用すべし。

眼がかすみ視野が暗くなる症状には、熟地黄を使用すべし。

咽喉の腫れや痛みには、桔梗、甘草を使用すべし。

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黄連おうれん

黄連
黄連

キンポウゲ科のオウレン属の根茎。
性味:苦・寒
帰経:心・脾・肝・胆・胃・大腸
効能:
①清熱燥湿
・大腸湿熱の下痢や裏急後重に。
方剤例 → 香連丸・芍薬湯・葛根黄笒黄連湯。
・腸胃湿熱の腹満や嘔吐、悪心、下痢に。
方剤例 → 半夏瀉心湯・枳実消痞丸。
・三焦湿熱の潮熱や胸苦しい、口渇、嘔吐などに。
方剤例 → 杏仁滑石湯。

②清熱瀉火
・熱入心包の高熱や意識障害、譫言、煩燥などに。
方剤例 → 牛黄清心丸・安宮牛黄丸。
・火盛迫血妄行の吐血、鼻血に。
方剤例 → 三黄瀉心湯。
・心火上炎の焦燥、不眠、口内炎に。
方剤例 → 朱砂安神丸。
・陰血不足があるときに。
方剤例 → 黄連阿膠湯。
・胃火の消穀善飢、歯痛に。
方剤例 →清胃散。
・肝火胃犯の胃痛や嘔吐、胃酸過多に。
方剤例 → 左金丸。
・肝火上炎による目の充血や腫れ、痛みに。
方剤例 → 当帰竜薈丸。
・胸中積熱・腸中有寒の腹痛、嘔吐に。
方剤例 → 黄連湯。

③清熱解毒
・熱毒の高熱、煩燥、目の充血、腫れ、咽喉の痛み、皮膚化膿症に。
方剤例 → 黄連解毒湯・普済消毒散。
・火毒による目の充血や腫れ、痛みに。

石膏せっこう

石膏
石膏

含水硫酸カルシウム鉱石。
性味:辛・甘・大寒
帰経:肺・胃
効能:
①清気分実熱
・外感熱病の気分証で高熱や煩燥、口渇、発汗などに。
方剤例 → 白虎湯。
・気分証に血熱をともなったもの。
方剤例 → 清瘟敗毒散・化斑湯。
・気分証の回復期で胸苦しいなどに。
方剤例 → 竹葉石膏湯。

②清肺熱
・肺熱の呼吸促迫や咳嗽、胸苦しいなどに。
方剤例 → 麻杏甘石湯。

③清胃火
・胃火の頭痛や歯痛、歯齦の腫れや痛みに。
方剤例 → 清胃散。
・陰虚の胃火上炎の歯痛や頭痛。
方剤例 → 玉女煎。

④生肌斂瘡
・切り傷や潰瘍、熱傷などに。

升麻しょうま

升麻『中医臨床のための中薬学』より
升麻『中医臨床のための中薬学』より

キンポウゲ科のサラシナショウマの根茎。
性味:甘・辛・微寒
帰経:脾・胃・肺・大腸
効能:
①発表透疹
・麻疹初期、透発が不十分な時に用いる。
方剤例→升麻葛根湯・宣毒発表湯。

②清熱解毒
・胃火亢盛による歯茎のびらん、口内炎、口臭に。
方剤例→清胃湯。
・熱毒による咽の痛み、発赤に。
方剤例→晋済消毒飲。

③昇拳陽気
・気虚下陥の慢性下痢、脱肛、子宮筋腫に。
方剤例→補中益気湯・昇陥湯。

大黄だいおう

大黄
大黄

タデ科のダイオウ属植物。
又は、それらの種間雑種の根茎。
性味:苦・寒
帰経:脾・胃・大腸・肝・心包
効能:
①瀉熱通腸
・胃腸の実熱積滞の便秘や腹痛、高熱、意識障害などに。
方剤例 → 大承気湯・小承気湯・調胃承気湯。
・大腸湿熱の下痢や腹痛、テネスムスなどに。
方剤例 → 芍薬湯。
・食積の下痢や腹満、腹痛に。
方剤例 → 木香檳榔丸・枳実導滞丸。
・寒積の便秘や腹痛、冷えなどに。
方剤例 → 温脾湯・大黄附子湯。

②清熱瀉火・凉血解毒
・火熱上亢の目の充血、喉の痛みや腫れ、歯痛、鼻血など。
方剤例 → 三黄瀉心湯・凉膈散・当帰竜薈丸。
・虫垂炎に。
方剤例 → 大黄牡丹皮湯・闌尾化瘀湯・闌尾清化湯。
・皮膚化膿症に。

③行瘀破積
・血瘀の無月経や産後瘀阻の腹痛に。
方剤例 → 無積丸・下瘀血湯。
・打撲外傷の腫れや痛みに。
方剤例 → 復元活血湯・治打撲一方・通導散。

④清化湿熱
・湿熱の黄疸に。
方剤例 → 茵蔯蒿湯。
・水熱互結の結胸による心窩部〜下腹の痛み、発熱などに。
方剤例 → 大陥胸湯。
・腹水の腹満や便秘、尿量の減少に。
方剤例 → 已椒藶黄丸。

荊芥けいがい

荊芥『中医臨床のための中薬学』より
荊芥『中医臨床のための中薬学』より

シソ科のケイガイの花穂をつけた茎枝、
または花穂。
性味:辛・温
帰経:肺・肝
効能
①祛風解表
・外感風邪による悪寒、発熱、頭痛に。
方剤例 → 荊防敗毒散・荊防湯。

②宣毒透疹
・麻疹で邪が発散されない、初期の皮膚化膿症などに。
方剤例 → 宣毒発表湯・竹葉柳蒡湯。

③散瘀止血
・吐血、鼻血、血便、血尿などに。
方剤例 → 槐花散・生蒲黄湯。

④祛風止痙
・産後の外感邪による項背部の緊張などに。

白豆蔻はくずく

白豆蔻『中医臨床のための中薬学』より
白豆蔻『中医臨床のための中薬学』より

ショウガ科のビャクズク属植物で、
その成熟した果実。
性味:辛・温
帰経:肺・脾・胃
効能:
①行気温中
・寒湿の気滞による腹満・腹痛に。
方剤例 → 利膈寛中飲。

②化湿消痞
・湿温初期の胸の苦しさ・食欲低下・舌苔の濁膩に。
方剤例 → 三仁湯・黄芩滑石湯。

③温胃止嘔
・胃寒による嘔吐に。
方剤例 → 白豆蔻湯。

④開胃消食
食積による少食・消化不良に。

⑤二日酔い・嘔吐に。
方剤例 → 葛花解酲湯。

熟地黄じゅくじおう

地黄
地黄

ゴマノハグサ科のジオウや、
カイケイジオウの肥大根を乾燥したのち、
酒で蒸して熟製したもの。
性味:甘・微温
帰経:心・肝・腎
効能:
①補血調経
・血虚による顔色にツヤがない、ふらつき、めまい、月経不順や月経痛などに。
方剤例 → 四物湯。

②滋腎益精
・腎陰不足の膝腰のだるさや無力感、遺精、寝汗などに。
方剤例 → 六味地黄丸。

桔梗ききょう

桔梗
桔梗

キキョウ科のキキョウの根。
性味:苦・辛・平
帰経:肺
効能:
①宣肺祛痰
・外邪犯肺の咳嗽や痰に。
・風寒の咳嗽、痰、鼻閉、鼻水に。
・風熱の咳嗽、粘調な痰に。
・肺気不宣の咽喉の腫れや痛み、嗄声に。
方剤例 → 桔梗湯・加味甘桔湯・清咽利膈湯。

②排膿消腫
・肺癰の胸痛や膿血痰に。
方剤例 → 桔梗湯・肺癰排膿湯。
・皮膚化膿症に。
方剤例 → 排膿散及湯・十味敗毒湯。

③その他
・尿閉や排尿困難、腹痛、下痢などに。

甘草かんぞう

甘草
甘草

マメ科のウラル甘草の根。
性味:平・甘
帰経:十二経
効能
①補中益気
・脾胃虚弱で元気がないや無力感、食欲低下、泥状便などに。
方剤例 → 四君子湯・参苓白朮散・保元湯。
・気陰不足の動悸や汗が止まらない、脈が結代などに。
方剤例 → 生脈散・炙甘草湯・加減復脈湯。

②潤肺・祛痰止咳
・風寒による咳嗽に。
方剤例 → 三拗湯。
・風熱の咳嗽に。
方剤例 → 桑菊散。
・寒痰の咳嗽に。
方剤例 → 苓甘姜味辛夏仁湯・苓甘五味姜辛湯・小青竜湯。
・熱痰の咳嗽に。
方剤例 → 定喘湯・五虎湯。

③緩急止痛
・腹痛や四肢の痙攣痛に。
方剤例 → 芍薬甘草湯・桂枝加芍薬湯・四逆散。

④清熱解毒
・喉の腫れや痛みに。
方剤例 → 甘草湯・桔梗湯・甘草桔梗湯。
・皮膚化膿症に。
方剤例 → 銀花甘草湯。

⑤調和薬性
・方剤に配合して、性質の異なる生薬を調和したり、
薬性の偏りや毒性、薬力を緩和にする。

⑥その他
・熱淋の排尿痛や困難に。
方剤例 → 導赤散。


<参考文献>
『万病回春解説』 創元社
『万病回春.巻之1-8』 早稲田大学 古典籍総合データベース
『中医臨床のための中薬学』 医歯薬出版株式会社
『鍼灸医学事典』 医道の日本社

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是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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