「熱湯に浴するは害あり。
冷熱はみづから試みて沐浴すべし。
快にまかせて熱湯に浴すべからず。
気上りてへる。」
貝原 益軒『養生訓』より
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下野です。
本日は『養生訓』から
”お風呂”に関しての記事になります。
では冒頭文を現代語訳してみますと、
「熱い湯に入浴するのは害がある。
湯加減は自らで判断し、沐浴しなさい。
快いからといって、
熱い湯に浴してばかりいては、
気が昇り、消耗してしまう。」
といったものになります。
お風呂自体は
体に熱を与えることで
気血を巡らすきっかけになり、
入浴後に体がスッキリする方や、
病気の症状が一時的に緩和される方も
少なからずおられます。
ただ要注意なのは、
熱を与える=体に熱を取り込む
ということになりますので、
普段から体が熱化している方
(暑がり、咽・口が渇いてしかたない、過食傾向、
眼を使うと頭痛や眼痛がする、便秘、
臭いのキツイ泥状便、尿が濃黄色etc.)
は要注意です。
また冷え性と自覚があっても、
「お風呂に入るとのぼせる」や
「烏の行水」という方も同様です。
理由は、
体の中の熱を助長させることで
臓腑を弱らせる結果、
冒頭の文でいう”消耗”をさせてしまうことになります。
日本には「湯治」という温泉療養や、
最近では岩盤浴というものがありますが、
これも皆に効果があるという訳ではないので、
御注意下さい。
当院の患者さんで
「自分はどうなんだろう?」という方は
是非 担当の治療家にお尋ね下さい。
<参考文献>
『養生訓』 貝原守一博士校訂本
『口語 養生訓』 日本評論社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
下野