こんにちは、為沢です。
張仲景の古医書『傷寒論』の解説です。
今回の傷寒論は弁厥陰病脈証并治 三百七十七章。
この章では、虚寒作嘔する場合の証治について詳しく述べております。
・嘔而脉弱、小便復利、身有微熱、見厥者難治、四逆湯主之
嘔吐は邪実を上方より出すので、一般に小便の出は悪くなるが
上焦の虚により下焦とのバランスがとれず小便利となる。
また陰寒内盛により陽気を四肢末端に達せさせることができず
甚だしくなって外に脱していることから
「身有微熱、見厥」をみる。
陽気の虚衰がすでに甚だしいために
薬力が及ばないしれないので「難治」といっているが、
温中回陽の四逆湯を与えれば救えるかも知れない。
提要:
虚寒作嘔する場合の証治について。
『現代語訳 宋本傷寒論』訳を使用:
嘔吐があって脈は弱、そして小便は再び通利するようになり、
身体に微熱があって、四肢が厥冷しているものは難治であるが、
四逆湯で治療する。
参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』 績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社
生薬イメージ画像:為沢 画
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
為沢