こんにちは、為沢です。
張仲景の古医書『傷寒論しょうかんろん』の解説です。

今回の傷寒論は弁厥陰病脈証并治 三百七十六章。
この章では、癰があり 膿血を吐く場合は自然に治ることを詳しく述べております。



嘔家有癰膿者、不可治嘔、膿盡自愈
厥陰は蔵血を主る。厥陰病で化熱、傷陰して血を傷つければ、
肝であれば膿血便、心包であれば嘔膿血となる。
心包の場合、熱が血を傷つけて生じた癰を体外に排出しようと吐く。
癰膿が完全に除かれるように助ける治療を行うとよい。
この病機を理解しない医者が嘔吐を無理に止めようとすれば、
実邪は決して除かれることはなく、
壊病の出現をみるようになり予後不良となる。

提要:
癰があり 膿血を吐く場合は自然に治ることについて

『現代語訳 宋本傷寒論』訳を使用:
平素より嘔吐する人の体内にもし癰膿がある場合は、
その嘔吐を治療してはならない。
膿毒が排除されてしまえば嘔吐は自然に治癒する。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』   東洋学術出版社

『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房

『増補 傷寒論真髄』  績文堂

『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

生薬イメージ画像:為沢 画

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

為沢

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