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前回のおさらい
脾胃から生じる病 その1
脾胃から生じる病 その2
六節蔵象論云:
脾、胃、大腸、小腸、三焦、膀胱者、
倉稟之本、栄之居也、
名曰器、能化糟粕、転味而入出者也。
其華在唇四白、其充在肌、其味甘、
其色黄。此至陰之類、通于土気。
凡十一蔵、皆取決于胆也。
胆者、 少陽春昇之気、春気昇則万化安。
故胆気春昇、則余蔵従之;
胆気不昇、則飧泄腸辟、
不一而起矣。病従脾胃生者三也。
六節蔵象論では
「脾、胃、大腸、小腸、三焦、膀胱は
倉廩の本(かなめ)であり、営気の起こる所である。
名付けて『器』と言い、(水穀を)糟粕に変化させ、
その華は唇まわりの四白にあり、
充実すれば肌肉にその様子があらわれる。
その味は甘で、その色は黄色である。
これらは至陰に分類され、土気(の性質)に通じる。
(また)すべての十一蔵府はすべて
(経絡においては半表半裏、
蔵府においては中正の官・奇恒の府である)
胆によって取り決められている。」
と述べられている。
胆は少陽春昇の気を持ち、春気が昇れば
万物の変化はおだやかである。
そのため胆気が春気のごとく昇れば、
他の蔵府はこれに従い、
胆気が昇らなければ、未消化便や下痢になり
胆気が(十一蔵府を)一つに
まとめられないために(病が)起こる。
(これが)脾胃から生じる病の三つ目である。
ここでは脾胃が病むために
少陽の動きが悪くなっている病理を
述べていると考えられる。
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参考文献
『脾胃論』人民衛生出版
『黄帝内経三家注』霊蘭書院
『黄帝内経素問(上)』東洋学術出版
※『脾胃論』は金元四大医家と言われた
李 東垣(り とうえん)の名著です。
興味を持たれた方はぜひ原文をあたって下さい。