<近日開催予定のイベント>
5月14日:【第三回、学生向け未来の鍼灸師相談会】→ 詳しくはこちら


この傷寒論のシリーズは、
当院の修行生によって毎週、水曜日の早朝に開かれる、
自主的な勉強会におけるメモ・備忘録となります。
古典の専門家によるものではなく、
一から学ぶ者の新鮮な目線を共有出来れば幸いに思います。



4/19(水)
太陽病中篇より

(95条)
太陽病、発熱、汗出者、此為栄弱衛強、故使汗出。
欲救邪風者、宜桂枝湯。

条文は、太陽病の中風証について述べている。
今までの桂枝湯の条文や、53条、54条にもあった通りであるが、
風邪ふうじゃを追い出す必要があるので汗をかかせ、
かつ営気を高める桂枝湯が良い。

(96条)
傷寒、五六日、中風、往来寒熱、胸脇苦満、黙黙不欲飲食、心煩、喜嘔、
或胸中煩而不嘔、或渇、或腹中痛、或脇下痞鞕、或心下悸、小便不利、或不渇、身有微熱、或欬者、
小柴胡湯主之。

太陽病を患ってある程度日数が経過すると癒えるはずであるが癒えず、
主症状として、「往来寒熱、胸脇苦満、黙黙不欲飲食、心煩、喜嘔」がみられ、
兼症としては「」に続くもの、すなわち
「胸中煩而不嘔」「渇」「腹中痛」「脇下痞鞕」
「心下悸」「小便不利」「不渇身有微熱」「咳」がみられるという内容であり、
この場合は小柴胡湯を用いる。
本条では、少陽病に以降した場合の基本的な症状が記されている。

主症状は必ず現れるものについて書かれているが、
「或」で始まる兼症については、
特に誤治をしたという内容もないため、
少陽病を患う前の段階、
すなわち素体が関連しているように思われる。

例えば「腹中痛」とは、もともと中焦に正気の弱りがあり
太陽病によって正気を多く消耗してしまった場合に
起こることも考えられる。
これは、条文の、
この後に続く小柴胡湯の加減法を読み込んでいくと
推察できるものである。
(「腹中痛む場合には、黄芩を去り、芍薬を加えよ」とある。)
このように、それぞれの兼症に対して加減法が一つひとつ定められている。

兼症に対する加減法を考察していくと、
兼症の意味、さらには素体に対する条文の考え方が
みえてくるのではないだろうか。
次回、続きを行う。

(続く)


 

参加者:下野、新川、大原、盧

 

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here