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こんにちは、為沢です。
張仲景の古医書『傷寒論』の解説です。
今回の傷寒論は弁厥陰病脈証并治 三百七十二章。
この章では、虚寒下痢で、表証が同時に現れる場合の証治について詳しく述べております。
・下利腹脹満、身体疼痛者、先温其裏、乃攻其表。
温裏宜四逆湯、攻表宜桂枝湯
「下利、腹脹満」は陽虚下陥、
陰寒の上逆により中焦で寒が凝滞し、裏虚寒となったからである。
「身体疼痛」は表邪の侵入によるもので、
これは裏寒と表証の同病である。
裏が温まらなければ正気は回復せず、表も解けない。
治療はまず四逆湯で裏を温め、陽気を回復させて
抗邪力をつけたあと、桂枝湯で表を解けばよい。
これは表解時に正気を傷つけない方法である。
桂枝湯
こちらを参照→【古医書】傷寒論を読む:弁太陽病脈証并治(上) 十二章・十三章
四逆湯
こちらを参照→【古医書】傷寒論を読む: 弁太陽病脈証并治(中)九十二章・九十三章
提要:
虚寒下痢で、表証が同時に現れる場合の証治について
『現代語訳 宋本傷寒論』訳を使用:
下痢して腹が膨満し、身体が痛む場合は、
先に裏を温め、その後で解表するとよい。
裏を温めるには四逆湯が、解表には桂枝湯が適当である。
桂枝湯
桂枝三両、皮を除く 芍薬三両 甘草二両、炙る 生薑三両、切る 大棗十二個、裂く
右の五味を、七升の水で、三升になるまで煮て、
滓を除き、一升を温服するが、服用後しばらくして、
熱い粥を一升啜って、これで薬の力を助ける。
参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』 績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社
生薬イメージ画像:為沢 画
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
為沢