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頭痛 かしらいたむ
頭は諸陽経の首也、風寒の頭痛は鼻塞り、惡かん発熱す。
湿は頭重し、食滞は額の正中いたむ。
左辺痛は気虚、右は血虚、夜痛み苦しく眉輪骨いたむは痰火なり。
真頭痛は脳巓の底にとをり、痛みはなはだしく、手足冷、
臂と膝より上までひえ上るは、半日に死す。
百会、風池、合谷、攅竹、曲池、腕骨、京骨、合骨、衝陽、風市、
三里。頭重く鼻塞るには、百会に刺すべし。目眩き、
頭のかわ腫るには前頂に刺す。項張り、悪寒せば、後項に針すべし。
痃癖 けんぺき
肩の痛むこと、或は痰により、或は風寒湿によるといへども、
多くは気血つかへたるゆへなり、此処に刺すこと秘伝あり、
まづ手にて肩を押しひねり、撫くだし、気を開かせて、
後に刺すべし。深きときはあやまちあり、
若しみだりに刺すときは人を害す、これを刺すには、
針をふして皮肉の間を刺すべし、少しも肉を刺すことなかれ、
肩背には撚針を用べからず、砭針をもちゆべし、管に入れてはぢき、
皮をやぶりて気血を抜く、その効速やかなり、
針を刺したるあとを又管にて推すべし、かならず血出て邪気さるなり、
上古には石の尖にて痛み痺る処を刺し、脈をやぶり邪をさる。
針経に砭石をもって膿血を出すとあり。
手指
手の痛は痰により、風湿による。老人は気血衰弱して、
肢をやしなはざるゆへなり、かいなの骨節ふとり、大にして、節間ほそくなり、
指も亦かくの如くなるは、痰と血の不足なり。
曲池、手三里、肩髃、列缺、尺沢。
心痛 むねいたみ
心痛に九種あり、虫痛、疰痛、風痛、悸痛、食痛、飲痛、寒痛、熱痛、去来痛也。
厥心痛は、寒邪心包絡に客たり、真心痛は、寒邪心の蔵を傷る、いたみはなはだしく、
手足青くして、臂膝を過るは半日に死す。胸の中、刺すがごとくいたみ、手足ひえ、
唇青く、脉沈なるに太谿に刺してよし。胸の中満ちふくれ、いきどをしく、
欠盆より引つり、痛み死せんとするは、行間、尺沢に刺してよし。
胸つよくいたみ、死せんとするには然谷、湧泉、に刺す。
神門、建里、大都、太白、中脘、に撰刺。
灸は厲兌、膈兪、肺兪、太谿、中脘、下脘、三里。
〜鍼灸重宝記より
頭痛、痃癖、手指、心痛を抜粋〜