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どうも新川です。
1週間ほど前に確認しに行った
桜の古木の状況を改めて見に行ってきました。
今回は、蕾が緑色に色づき、
ぽってりとした膨らみが確認出来ました。
まだまだ開花は先か?
今から来週の状態が楽しみです。
黄芩 主治心下痞也。
「黄芩の主治は心下痞です。」 《薬徴 著:吉益東洞》
この言葉について考察していく。
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心下痞に対する代表的な方剤として、
瀉心湯類が挙げられる。
「瀉心」には、
「瀉心はすなわち瀉火、瀉火はすなわち止血」
また、「心下痞を泻する」という意味がある。
瀉心湯類は、
・半夏瀉心湯(半夏、黄芩、乾姜、人参、炙甘草、黄連、大棗)
・生姜瀉心湯(生姜、半夏、黄芩、乾姜、人参、炙甘草、黄連、大棗)
・甘草瀉心湯(炙甘草、半夏、黄芩、乾姜、黄連、大棗)
・大黄黄連瀉心湯(大黄、黄連)
・附子瀉心湯(大黄、黄連、黄芩、附子)
・三黄瀉心湯(別名:瀉心湯)(大黄、黄連、黄芩) などがあり、
このうち、
「大黄黄連瀉心湯」以外に
共通して組成されているのが黄芩である。
ここで黄芩の効能をみてみる
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黄芩(おうごん)
シソ科のコガネバナの周皮を除いた根。
内部が充実し、細い円錐形をしたものを条芩、桂芩、尖芩などと称し、
老根で内部が黒く空洞になってものを枯芩、
さらに片条に割れたものを片芩と称する。
性味:苦・寒
帰経:肺・脾 ・大腸・小腸・胆
主な効能と応用:
①清熱燥湿:湿温・暑温初期の湿熱欝阻気機による、
胸苦しい・腹が張る・悪心・嘔吐・尿が濃いなどの症候に用いる。
方剤例⇒黄芩滑石湯
②清熱瀉火・解毒・凉血:肺熱の咳嗽・呼吸促迫・黄痰などの症候時に用いる。
方剤例⇒清肺湯
③清熱安胎:妊娠中の蘊熱による下腹痛などに用いる。
方剤例⇒当帰散
備考:他薬の配合により様々な効用を示す。
柴胡と往来寒熱を除き、白芍と下痢を抑え、桑白皮と肺火を除き、
白朮と安胎に働き、山梔子と胸膈火熱を除き、荊芥・防風と肌表の熱を清解する。
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黄芩の特徴をまとめると・・
主な効能は清熱で、
帰経の範囲は幅広く、
組み合わせによって様々な効能をしめすことである。
続く
参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社
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