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「およそ人の楽しむべき事三あり。
一には身に道を行ひ、ひが事なくして善を楽しむにあり。
二には身に病なくして快く楽しむにあり。
三には命ながくして久しくたのしむにあり。
富貴にしても。此三の楽なければ真の楽しみなし。
故に富貴は此三楽の内にあらず。」
貝原 益軒『養生訓』より
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下野です。
本日は「養生訓」の記事になります。
早速ですが、
冒頭の文章を現代語訳にしてみましょう。
「人の人生において、
楽しむべき事が三つある。
一つ目は、
人として正しき道を歩み、
決して悪事を行わず、善を楽しむことである。
二つ目は、
体が病にかからず、快く楽しむことである。
三つ目は、
長生きで、人生そのものを長く楽しむことである。
金持ちで身分が高い者でも、
この三つに楽しみが無ければ、真の楽しみはない。
したがって「富貴」は三楽には入らないのである。」
といったところになります。
その通りですね。
でもまぁ、楽しみのことにお金が必要
と言う場合もあるが・・・
という意見もあるかもしれませんが、
でもこれは現代人の考えであって、
昔の人は財というのを
重要視していなかったみたいですね。
「養生訓」が書かれる遥か昔、扁鵲という名医がおりました。
その扁鵲が
「こういった患者は、名医でも治せない」とした
”六不治”というものを唱え、その中に
「軽身重財、二不治也。」(身体より、財産を大切にする者。)
とあり、欲が病と関係すると言っております。
また、この文章の最後に
「三楽がないと、
いかなる大金持ちや高貴な身分であっても、
人生に得るものはない。」
と貝原先生は言い切っており、
富や名声が人を測る指標ではないことを
言っているのではとも考えてしまいます。
では。
<参考文献>
『養生訓』 貝原守一博士校訂本
『口語 養生訓』 日本評論社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
下野