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こんにちは、為沢です。
張仲景の古医書『傷寒論しょうかんろん』の解説です。

今回の傷寒論は弁厥陰病脈証并治 三百六十八章。
この章では、下痢後の脉絶による生死の予後について詳しく述べております。



下利後脉絶、手足厥冷、晬時脉還、手足温者生、脉不還者死
下痢後に脉絶、厥冷をみるのは、
この下痢が久しく、虚寒が甚しかったからであり、
陰竭・陽絶の危険であるから、復生するのは稀である。
厥陰病で突然寒邪が中焦を侵襲して下痢をするのは、
寒邪と津気が共に下るからであり、寒が去って下痢が止まった後、
強い虚症が現れる。
治療を施し、昼夜24時間の陽気の回復状況をみて
身体を50周(昼・陽25回、夜・陰25回)巡った後、
手足が温かくなれば陰陽の気が正常に交流しているので
予後は良好であるが、手足が温まらなければ、
真陰真陽は脱しているので予後不良である。

提要:
下痢後の脉絶による生死の予後について

『現代語訳 宋本傷寒論』訳を使用:
下痢した後に脈拍が触れなくなったり、
手足は厥冷しているが一昼夜経つと脈拍が触れるようになり、
手足も温かくなれば、予後は良好だが、
脈拍がずっと回復しないままであると死証である。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』   東洋学術出版社

『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房

『増補 傷寒論真髄』  績文堂

『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

生薬イメージ画像:為沢 画

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

為沢

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