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夕暮れ(春分の日の前日に撮りました。)
夕暮れ(春分の日の前日にて)

こんにちは、大原です。
最近、色々な方剤名を耳にします。
今回は、十全大補湯という方剤を知りましたので
調べていきたいと思います。

十全大補湯はその名前の通り
「補益剤」に分類され、
さらにその中の「気血双補剤」に分類されます。
すなわち、気血をともに補う働きがあるようです。

そもそも「補益剤」とは
大きく分けて
・補気剤
・補血剤
・気血双補剤
・補陰剤
・気陰双補剤
・補陽剤
の6つに分類されるようです。

すなわち、この分類名から見るに
「気血双補剤」とは
「補気剤」と「補血剤」の二つが
合わさったものではないかと推測されます。

ではまず、十全大補湯の組成などを
確認していきましょう。

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十全大補湯じゅうぜんたいほとう

組成:八珍湯はっちんとうに黄耆15g、肉桂3gを加える。水煎服。
効能:温浦気血
主治:気血両虚。益気固表の黄耆を加えて補気生血をつよめ、
温浦補腎の肉桂で陽気を振奮しており、
八珍湯よりも益気の効能が高められている。
一般に、本方が気血双補の基本方剤になっている。

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さて、ここで「八珍湯」という方剤が出てきました。
十全大補湯は、この八珍湯の附方で、
黄耆と肉桂を加えて八珍湯の効能を強めているようですね。

では、もとの八珍湯についてみていきましょう。

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八珍湯はっちんとう

組成:人参6g、白朮9g、茯苓9g、炙甘草3g熟地黄12g、当帰9g、白芍9g、川芎6g生姜3g、大棗2g。水煎服。
効能:気血双補
主治:気血両虚。
方意:本方は益気健脾の四君子湯(人参、白朮、茯苓、炙甘草)と、
養血活血の四物湯(熟地黄、当帰、白芍、川芎)を合方したもので、
補気養血の効能が得られる。
さらに、大棗・生姜は和胃養血に働き、他薬の吸収を促進させる
平補気血の方剤である。
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八珍湯は、四君子湯と四物湯を合わせたものなんですね。
ここで重要だと思うのが、
大棗と生姜を加えて
和胃養血の作用を加えているというところです。

四君子湯(補気)と四物湯(補血)を合わせれば、
気と血のどちらも補えると考えますが、
それだけではなく
和胃の働きを加えているというところが深いと思います。

これは、脾胃の主な働きとして、
気血を生成するという重要な働きがあるためですね。

このように、
十全大補湯は気血両方を補う強壮剤となりますが、
その性質は温熱に偏するので、
虚労や雑病のために陰虚火旺となっている場合には
使用してはならないと解説されています。

 


参考文献:
『中医臨床のための方剤学』 東洋学術出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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