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健忘、征忡、驚悸
精神短少なる者、心をもちゆることを過し、恍惚として、
多く事を忘るるを健忘といふ。征忡は心中惕惕として跳動す。
驚悸は驚怖して寧からず、人の捕へんとするがごとし。
みな心脾の虚損なり。或は痰心竅に迷うて事をわするる者あり。
灸=膈兪、肝兪、肺兪、脾兪、腎兪。
鍼=神門、大陵、巨闕、上脘、三重。
眩暈 かしら、くるめき、めくるめく
緒の眩暈はみな肝に属す、風邪上り攻め、壅りて眩暈をなし、
あるひは気虚、失血、あるひは、陰虚火動、みなよく此証をなす。
風眩は脉浮にして汗あり、痰は脉弦にして滑なり。
針、上星、風池、天柱、臨泣、風府、陽谷、中渚、梁門。
灸、上星、顖会、前頂、百会、風門、厥陰。
中悪 あしきものに、あてらるる
中悪とは人の精神衰へ、弱くして鬼邪の気、卒に中るゆへなり。
其のかたち、卒然として、胸腹刺すごとく痛み、悶乱して死す、
あるひは吐血するもあり。
先づ、幽門、百会、関元、気海に灸し、
安息香を豆粒ほど火に入れ煙を呑むべし。
癇癲 くつち
癇癲は元、母の胎内に在りて、驚を受く。五種あって、五蔵に応ずといへども、
心の一蔵に帰す。驚くときは、神、舎を守らず、舎、空しき則ば、痰涎、心竅に迷ひ、
ふさぎ、たましい出入りせざるによりて、卒に、たおれて、手足びくめかし、
口眼引つり、あるひはさけび、そばはり、沫を吐く、暫くにしてよみがへる。
針=大椎、水溝、百会、神門、金門、巨闕、崑崙、筋縮、湧泉。
灸=百会、鳩尾、上脘、陽蹻、陰蹻に。
〜鍼灸重宝記より
健忘、征忡、驚悸、眩暈、中悪、癇癲を抜粋〜