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虚損(よはみ)
凡そ元気素より弱く、或は起居宜しきを失ひ、あるひは飲食労倦し、
心を用ゆること大過によって、真気を損じ、形体やせ、眼かすみ、
歯動き、髪落ち、耳鳴とをく、腰膝力なく、小便しげず、汗多出、
あるひは遺精、白濁、内熱、ひくれ熱、口乾き、咽渇き、心神寧からず、
寝て寝られず、小便短少、余瀝、肢体寒をおそれ、鼻気急迫、眩暈、
健忘、四肢倦怠等の証を顕す。
灸=肺兪、肝兪、脾兪、腎兪、三里、膏肓。
針=梁門と中脘といくたびも刺すべし。


発散によらずして自ら出るを自汗という、陽虚なり。
睡中におぼえず汗出るを盗汗という陰虚なり。
盗汗には腎兪、自汗には脾兪、肺兪に灸すべし。
合谷、曲池、湧泉、然谷、に刺すべし。

諸熱
五臓の熱証
肺熱すれば、皮毛熱し、煩熱心痛し、手の中熱す。
脾熱すれば、肌肉熱し、夜はなはだしく、怠惰して四肢収まらず。
肝熱は、筋熱し、寅卯の刻はなはだし、脉弦にして、多く怒り、
手足熱して、筋なゆる。
腎熱すれば、骨髄熱し、骨の中を虫くらふ、起きて居られず。
諸経の熱証
面熱するは足の陽明。口熱し舌乾くは足の少陰。
耳の前熱するは手の太陽。掌熱するは手の三陰。
足の下熱しいたむは足の少陰。身熱し肌いたむは手の少陰。
酒浙として寒熱せば手太陰。中熱し喘するは足陽明。
一身熱し狂乱し譫言は足陽明。
肩背足の小指の外熱するは足太陽。
肩の上熱するは手太陽也。
昼熱するは、熱、陽分にあり。夜発るは、熱、陰分にあり。
昼夜同じく熱するは、熱、血室に入り、重陽無陰なり、
陰を補ひ陽を泻すべし。
梁門、承滿、天枢、気海、針いくたびも刺してよし、
叉尺沢、委中より血をとる。

〜鍼灸重宝記より
虚損、汗、諸熱を抜粋〜

嵐山にて
嵐山にて

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