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こんにちは盧(る)です。
先日
一鍼堂の先輩方に
「最近イライラしてるけどどうかしたの?」
と言われました。
季節のせいもあるのでしょうが
無意識でしたが確かにいつもより
気に障ることが多かったとようにおもいます。
自分の気持に気づかされた瞬間でした。

意外と自分の事は自分でよく分かっていない
ものだなあと思った今日この頃です。

状況は全く違いますが
そんなふと自分の気持ちに気づく瞬間をうたった詩があります。
戦争を悪徳として嫌っていた昔の中国では
出兵兵士の妻の嘆き、悲しみをうたった詩が
数限りなく存在します。
その中から王昌齢の詩を御紹介します。


 

閨(おんな)の怨(うら)み  王昌齢(おうしょうれい)
閨中(けいちゅう)の少婦はうれいをしらず。
春の日によそおいをこらして翠(すい)楼を上る
たちまち見る 陌頭(はくとう)の楊柳(ようりゅう)の色を
悔ゆらくは夫婿(ふうしょ)をして封侯(ふうこう)を求めしを

少婦とは若いお嫁さんのこと。
閨とは婦人の部屋のこと。
毎日寝そべって過ごし、夫が志願兵で旅立っているが
その方が気楽なぐらいのようだ。
そんな訳で人生の問題について考えることも少ない。
それゆえに愁いをしらないのであろう。
彼女の唯一の趣味はお化粧であった。
きょうは、いいお天気だから一度、2階へ上がって
外の景色を見に行こう。
そうしてお化粧をする。
別に誰に見せようというのでもない。
それが彼女の趣味なのだろう。
そうして2階の物干しにより、ぼんやりと往来を眺めていた。
するとあるものに目がとまる。
往来の両側にある土手である。
いつのまに芽吹いたのか、青々とした柳の色。
それを見ていた彼女は急に悲しくなってしまう。
あの人が家を出るときに、柳の枝を折って別れたのだ。
「はやく手柄をたててくださいね」
なぜ、あんなばかなことを言ったのだろうか。
なぜあのとき、わたしは、あの人をとめなかかったのだろうか。

閨中少婦 不曽愁
春日凝粧 上翠楼
忽見陌頭 楊柳色
悔教夫婿 覓封侯

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参考文献「新唐詩選」岩波新書

和歌山にて

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