<相談会の開催お知らせ>
学生さんや鍼灸師を目指す方、
お待ちしてます!!!

【対象者】学生、この業界を目指す方
(※免許を取得し鍼灸師になった方は今回はご遠慮頂いております)

【日時】2017/03/12(日) 15:00~18:00

【費用】一人3,000円

詳しくはこちらの記事をご参照ください。
https://www.1sshindo.com/blog/zenith13539/


珍しく近所の道路や河が凍りました。
珍しく近所の道路や河が凍りました。

こんにちは、大原です。

暖かい立春もつかの間、
2月7日(火)の14時に、気象庁から
「強い冬型の気圧配置に関する全般気象情報(第1号)」が
発表されていました。

参考:気象庁HP 強い冬型の気圧配置に関する全般気象情報 第1号

この日の前日までは比較的暖かい気温でしたが、
また急に寒くなり、
しばらく、最低気温が1〜2℃、
最高気温が6〜7℃という日が続き、気象庁の発表通り
真冬の寒い気温に戻りました。
風も強く吹いていて、体にも負担がかかってしまうお天気でしたね。
暖かい春が待ち遠しいです。

さて、前回の続きです。

前回までの記事↓
2017年の運気 その1
2017年の運気 その2
2017年の運気 その3
2017年の運気 その4
2017年の運気 その5
2017年の運気 その6
2017年の運気 その7
2017年の運気 その8

前回は素問の気交変大論篇(69)における
木運不及の年(2017年)の気候などについて
考えていきましたね。

今回は素問の五常政大論篇(70)の内容から、
2017年の気候に関わりそうな記述を見ていきたいと思います。

五常政大論篇(70)
(原文 最初から)
黄帝問曰、太虚寥廓、五運廻薄、衰盛不同、損益相従。
願聞平気、何如而名、何如而紀也。
岐伯対曰、昭乎哉問也。
木曰敷和、火曰升明、土曰備化、金曰審平、水曰静順。
帝曰、其不及奈何。
岐伯曰、木曰委和、火曰伏明、土曰卑監、金曰従革、水曰涸流。
帝曰、太過何謂。
岐伯曰、木曰発生、火曰赫曦かくぎ、上曰敦阜とんふ、金曰堅成けんせい、水曰流衍りゅうえん

(意訳
「平気」の年はどのように名づけられているのか?
木気が歳運の年では「敷和」といい、
火気が歳運の年では「昇明」といい、
土気が歳運の年では「備化」といい、
金気が歳運の年では「審平」といい、
水気が歳運の年では「静順」といいます。

五運が不及の年は、
木気が歳運の年では「委和」といい、
火気が歳運の年では「伏明」といい、
土気が歳運の年では「卑監」といい、
金気が歳運の年では「従革」といい、
水気が歳運の年では「涸流」といいます。

五運が太過の年は、
木気が歳運の年では「発生」といい、
火気が歳運の年では「赫曦」といい、
土気が歳運の年では「敦阜」といい、
金気が歳運の年では「堅成」といい、
水気が歳運の年では「流衍」といいます。

ここから、五運それぞれの
平気・不及・太過の年の特徴について記されています。
続きをみていきましょう。

(原文 上から続き)
帝曰、三気之紀、願聞其候。
岐伯曰、悉乎哉問也。
敷和之紀、木徳周行、陽舒陰布、五化宣平、
其気端、其性随、其用曲直、其化生栄、

其類草木、其政発散、其候温和、其令風、其蔵肝、肝其畏清、
其主目、
其穀麻、其果李、其実核、其応春、其虫毛、其畜犬、其色蒼、其養筋、
其病裏急支満、其味酸、其音角、其物中堅、其数八。

ここでは、木気の平気の年(敷和)は
木徳が周行し、陽気は伸びやかで陰気は敷き広がり、
五気は正常に働く
とあり、さらに、
その気は端、その性は随、その用は曲直、その化は生栄、
その類は草木、その政は発散、その候は温和、その令は風、その蔵は肝、肝はそれ清を畏れ、
その主は目、その穀は麻、その果は李、その実は核、その応は春、その虫は毛、その畜は犬、その色は蒼、その養は筋、
その病は裏急支満、その味は酸、その音は角、その物は中堅、その数は八なり。
と続きます。

ここから少し飛ばして、2017年は木運不及ですので
木運不及「委和」についての記述をみていきましょう。

(原文)
委和之紀、是謂勝生。

生気不政、化気迺揚、長気自平、收令迺早、
涼雨時降、風雲并興、草木晩栄、蒼乾凋落、物秀而実、膚肉内充。
其気斂、其用聚、其動緛戻拘緩、其発驚駭、
其蔵肝、其果棗李、其実核殼、其穀稷稲、其味酸辛、其色白蒼、

其畜犬鶏、其虫毛介、其主霧露淒滄、其声角商、其病揺動注恐、従金化也。

少角与判商同。上角与正角同、上商与正商同。
其病支廃、癰腫瘡瘍、其甘虫、邪気傷肝也。

上宮与正宮同、蕭飋粛殺、則炎赫沸騰、眚於三。所謂復也。
其主飛蠹蛆雉、乃為雷霆。

(読み)
委和の紀は、これ勝生という。
正気は政せず、化気すなわち揚がり、長気自ら平かにして、収令すなわち早く、
涼雨時に降り、風雲あわせて興り、草木遅く栄え、蒼乾凋落し、物秀でて実り、膚肉 内に充る。
その気は斂、その用は聚、その動は緛戻拘緩、その発は驚駭、
その蔵は肝、その果は棗李、その実は核殼、その穀は稷稲、その味は酸辛、その色は白蒼、
その畜は犬鶏、その虫は毛介、その主は霧露淒滄、その声は角商、その病は揺動注恐にして、金の化に従うなり。

少角は判商と同じ。
上角なれ正角と同じく、上商なれば正商と同じ。

その病は支廃、癰腫瘡瘍にして、それ甘虫ありて、邪気は肝を傷るなり。
上宮なれば正宮と同じく、蕭飋粛殺なれば、すなわち炎赫沸騰し、三に眚あり。いわゆる復なり。
その主は飛蠹蛆雉にして、すなわち雷霆をなす。

意訳すると
「委和の年は、正気は正常に働かず、
草木は遅い時期に成長して、しぼんで枯れやすくなります。
その年の気は収斂が強くなり、人体においては筋がひきつって力が抜け、
ときに驚きやすくなります。
木気が抑制されているので、その病は金気が盛んになることによります。

木気はなかば金気の作用に服従し、やや金気の作用があらわれます。
司天の気が、厥陰風木なら木の平気(木気の正常な状態)と同じく、
陽明燥金なら金の平気と同じになります。
人体の病は手足が萎えたりできものができたり、虫がわいたりし、邪気は肝臓を害します。
もし司天の気が太陰湿土なら土の平気と同じで、金気が木気に打ち勝つと一面物寂しい様子となり、
続いて激しい炎暑となり、三宮(東)の方向に災い・災害がおこる。
これは木気が復するためである。
小さな虫が多くなり雷が起こります。

2017年は木運不及で、陽明燥金が司天の気です。
今後の季節の移り変わりや、
気候の変化に目を向けていきたいですね。

次回に続きます。


参考文献:
『黄帝内経 素問 下巻』 東洋学術出版社
『内経気象学入門』 緑書房

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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