この傷寒論のシリーズは、
当院の修行生によって毎週、水曜日の早朝に開かれる、
自主的な勉強会におけるメモ・備忘録となります。
古典の専門家によるものではなく、
一から学ぶ者の新鮮な目線を共有出来れば幸いに思います。
1/18(水)
太陽病中篇より
(66条)発汗後、腹脹満者、厚朴生薑甘草半夏人参湯主之。
発汗法を用いた後に、腹部が張って満する状態になった場合には
厚朴生薑甘草半夏人参湯を用いるという内容である。
腹部が張って満する状態とは、脾気が弱り、水湿の運化が失調して
その結果気滞が発生していると解釈されている。
ここでは、発汗を行うことで脾気が弱ったということになっているが、
これはどういうメカニズムなのだろうか。
解説本では、発汗によって陽気が損傷されたことで
脾気が弱ったことによるとある。
この陽気とは何だろうか。
おそらく、身体の中に取り込まれた湿などをめぐらす力のことだろう。
油で汚れている食器を洗い落とすのに、
冷たい水道水よりも温かいお湯の方が落としやすいことに
喩えられるのではないだろうか。
(67条)傷寒、若吐、若下後、心下逆満、気上衝胸、
起則頭眩、脈沈緊、発汗則動経、身為振振揺者、茯苓桂枝白朮甘草湯主之。
様々な症状が出ていることが見受けられるが、
解説本によると、傷寒の病に誤って吐法、下法を用いたことで
裏虚がおこったとみられる。
上焦の虛に水飲が入り込みやすくなったことで
「心下逆満、気上衝胸」がおこり、
また、表邪も内陥したのではないだろうか。
次回、続きを行う。
参加者:下野、新川、大原、盧