こんにちは、為沢です。

先日、ビートルズの未公開写真46枚が2800万円で落札されたとニュースを見ました。

Beatles
Beatles

出典:Sankei Photoより

1964年2月、ワシントンで米国初のコンサートを開いた時の1枚だそうです。
四人が寄り添っている後ろ姿に何か暖かみを感じます。
良い写真です。心が温もりました。
ただ、この一枚約538万円の値がついたそうです!
コレクターからすれば安い値段なのでしょうか。。
ビートルズの人気の高さを伺い知れた1枚でした。

はい。では、今回の傷寒論は弁太陽病脈証并治(上)の二十八章。
太陽の気が水飲によって欝したものの証治について述べています。


弁太陽病脈証并治(上)二十八章

服桂枝湯、或下之、仍頭頂强痛、翕翕發熱、無汗、心下滿、
微痛、小便不利者、桂枝去桂加茯苓白朮湯主之。方十五。
芍藥三兩甘草二兩、炙 生薑 白朮  茯苓各三兩 大棗十二枚、擘
右六味、以水八升、煮取三升、去滓、溫服一升、小便利則愈。
本云、桂枝湯今去桂枝、加茯苓、白朮。

和訓:
桂枝湯を服し、或は之を下し、
仍お頭頂強痛し、翕翕として発熱し、汗無く、心下満、
微痛し、小便不利の者は、桂枝去桂加茯苓白朮湯を主る
。方十五。
芍藥三両 甘草二両、炙る 生薑切る 白朮  茯苓各三両 大棗十二枚、擘く
右六味、水八升を以て、煮て三升を取り、滓を去り、一升を温服し、小便利すれば則ち愈ゆ。
本に云う、桂枝湯今桂枝を去り、茯苓、白朮を加うと。


服桂枝湯、或下之
桂枝湯を服用して発汗法を施したり、或は攻下法を施す

仍頭頂强痛、翕翕發熱、無汗、
心下滿、微痛、小便不利者
頭頂部に強い痛みや、軽い発熱、
無汗、心窩がわずかに満ちて痛みがあり、小便が出にくい者。
これは中焦に水飲の邪が内停しているために
下焦へ水気が運行できないので
「小便不利」となり、心まで及ぶので
「心下満、微痛」という症状が起きる。
また「無汗」という症状も、
表に水気を送れない上焦の失調によるものである。

桂枝去桂加茯苓白朮湯主之
桂枝去桂加茯苓白朮湯がこれを主る。
桂枝湯で解肌を行うが、桂枝は取り除き発汗させないで行う。
これに茯苓・白朮を加え、中焦を温めて利水を行えば良い。

方義
桂枝湯(桂枝・芍藥・甘草・生薑・大棗)の内、桂枝を除く
こちらを参照→
【古医書】傷寒論を読む:弁太陽病脈証并治(上)  十二章・十三章

 

白朮
白朮

白朮
白朮は甘温で補中し苦で燥湿し、
補脾益気・燥湿利水の効能を持ち、健脾の要薬である。
脾気を健運し水湿を除いて
痰飲・水腫・泄瀉を消除し、
益気健脾により止汗・安胎にも働く。
それゆえ、脾虚不運の停痰停湿・泄瀉腫満に対する主薬であり、
表虚自汗および脘腹脹満・胎動不安にも用いる。

 

茯苓
茯苓

茯苓
茯苓は甘淡・平で、甘で補い淡で滲湿し、
補脾益心するとともに利水滲湿に働き、
脾虚湿困による痰飲水湿・食少泄瀉および
水湿内停の小便不利・水腫脹満に必須の品であり、
心脾に入って生化の機を助け寧心安神の効能をもつので、
心神失養の驚悸失眠・健忘にも有効である。

茯苓・白朮は補脾作用と利水作用を有し、
扶正と同時に三焦に壅滞した水湿を取り除く。
芍薬は酸収で水飲を集め、苦降・苦泄するため
茯苓・白朮の利水作用を助け利尿する。
生姜は中焦脾胃の気機を振盪させ、
甘草・大棗の正気生成を促進させる。

提要
裏水と表証がある場合の証治について


桂枝湯を服用し、或は瀉下法で治療した後、
患者には依然と頭痛と項痛があり、
無汗で微かに痛みを覚え、尿が出にくいなどの症状があれば、
桂枝去桂加茯苓白朮湯で治療する。
処方を記載。第十五法。
芍藥
三両 甘草二両、炙る 生薑切る 白朮  茯苓各三両 大棗十二個、裂く
右の六味は、八升の水で、三升になるまで煮て、滓を除き、一升を溫服すれば、小便が出て癒える。
別本には、桂枝湯から桂枝を去り、茯苓と白朮を加えるとある。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』 績文堂
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

為沢

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