【研修生募集】
鍼灸一本の技術で生きていける
鍼灸師を目指しませんか?
当院では、研修生を受け入れております。
(現在、一名。性別不問)
研修期間は一年で、
適正が認められればその後のステップも存在します。
詳細は、一鍼堂大阪本院へ:☎06-4861-0070


近所の公園
近所の公園(12月12日) 本格的な冬の雰囲気になりました


こんにちは、大原です。

前回に続いて4条からみていきましょう。
この4条から6条までの条文は
聞診(音や匂いから診察を行う)についてです。
原文と意訳を記していきます。

臓腑経絡先後病脈証(第1)

(4条)
師曰、病人語聲寂然、喜驚呼者、骨節間病。
語聲喑喑然不徹者、心膈間病。
語聲啾啾然細而長者、頭中病。

(5条)
師曰、息搖肩者、心中堅。
息引胸中上氣者欬。
息張口短氣者、肺痿唾沫。

(6条)
師曰、吸而微數、其病在中焦、實也。
當下之、即愈。
虚者不治。
在上焦者、其吸促。在下焦者、其吸遠、此皆難治。
呼吸動搖振振者、不治。



(4条)
師曰、病人語聲寂然、喜驚呼者、骨節間病。
(師曰く、病人語声寂然たるも、しばしば驚呼する者は、骨声の間病む。)
→話声が平静で普段と変わりなく、とつぜん悲鳴をあげるのは
関節に病があって激しく痛むからである。

語聲喑喑然不徹者、心膈間病。
(語声暗暗として徹らざる者は、心膈の間病む。)
→話声が低くて聞き取りにくいのは、心肺の病を疑う。

語聲啾啾然細而長者、頭中病。
(語声啾啾然として細く長き者は頭中痛む。)
→話声がか細く途切れ途切れになるのは頭に病があるためで、
頭が痛いためにこのような話し方になる。

(5条)
師曰、息搖肩者、心中堅。
(息するに肩を揺らす者は、心中堅し。
→肩で息をするのは気道が狭窄して呼吸困難を呈しているからで、
胸中が閉塞して堅くなっている。

息引胸中上気者欬。
(息するに胸中引きて上気する者は欬す。)
→胸を引き上げるようにして息をする場合は
上気(気が上がっている)して咳をする。


息張口短氣者、肺痿唾沫。
(息するに口張り短気する者は、肺痿なり、沫を唾す。)
→口を開けて息が切れてしまう場合は肺痿という病で、濃い痰や白い唾を吐く。

5条のこれらの3つの文は、
それぞれ現代の
気管支喘息、慢性気管支炎、肺線維症や慢性肺気腫に
相当する内容のようです。

(6条)
師曰、吸而微數、其病在中焦、實也。
(師曰く、吸微数なるは、その病は中焦にありて、実なり。)
→中焦に滞りがあると(息を吸うのが苦しく)やや早い呼吸になる。

當下之、即愈。
(まさにこれを下せば兪ゆべし。)
→中焦の邪を下す攻下法を用いれば治る。

虚者不治。
(虚なる者は治せず。)
→(攻下法に耐えることができないほど)弱りがある場合は治すことができない。

在上焦者、其吸促。在下焦者、其吸遠、此皆難治。
(上焦にある者は、その吸促。下焦にある者は、その吸遠し、これ皆治し難し。)
→上焦(肺)に病がある場合は、呼吸は大変早くなる。
下焦(腎)に病がある場合は、
(納気作用が失調しているため吸気が困難で)呼吸の間隔が開く。
どちらも治すのが難しい。

呼吸動搖振振者、不治。
(呼吸動揺して振振たる者は治せず。)
→呼吸のときに体が動揺する人は
(衰弱が激しく一呼一吸の規則正しい呼吸ができなくなっていることを示すので)
治すことができない。

続きます。


参考文献:
『金匱要略も読もう』 東洋学術出版社
『傷寒雑病論』 東洋学術出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here