【週2日程度の研修生募集中】
週に2日程度(各半日)の研修生を募集しております。
学生であれば、業界の相談や
当院蔵書の閲覧、及び基礎中医学の修得を目指し、

適正があれば修行生や内弟子として
上を目指すことも可能です。
詳しくは本院まで。
期間:6ヶ月(相談により更新の余地あり)
募集二名、面接あり。
一鍼堂大阪本院:☎06-4861-0070



11月中旬 近くの公園にて
11月中旬 近くの公園にて

 



こんにちは、大原です。

前回の第1条に続いて2条をみていきましょう。
原文と意訳を記しております。

臓腑経絡先後病脈証(第1)

(2条)
夫人禀五常、因風氣而生長、風氣雖能生萬物、亦能害萬物。
(それ人は五常を禀け、風気によりて生長し、風気はよく万物を生ずといえども、またよく万物を害す。)
→万物を生長させたり害したりするのは「風気」が主となる。

如水能浮舟、亦能覆舟。
(水のよく舟を浮かぶるも、またよく舟を覆すがごとし。)
→それは、水が舟を浮かべたりするこもできるが、舟を転覆させることもあるようなものである。

若五臟元眞通暢、人即安和、客氣邪風、中人多死。
(もし五臓の元真通暢すれば人すなわち安和し、客気邪風人にあたれば多く死す。)
→もし五臓が働いて元気なら人は健康であり、邪風の気があたれば人は多くが死んでしまう。

千般疢難、不越三條。
(千般の疢難ちんなんは三条を越えず。)
→多くの病も、大きくわけると三つの原因となる。

一者、經絡受邪、入臟腑為内所因也。
(一なる者、経絡邪を受け、臓腑に入り内に因るところとなすなり。)
→一つ目は、経絡に邪を受けて臓腑に入る内因である。

二者、四肢九竅、血脉相傳、壅塞不通、為外皮膚所中也。
(二なる者、四肢九竅血脈相伝え、壅塞して通じず、外皮膚にあたるところとなすなり。

→二つ目は、四肢九竅血脈に邪が伝わり閉塞して通じなくなる、
皮膚の外から侵襲してくる外因である。

三者、房室、金刃、蟲獸所傷。
(三なる者、房室、金刃、虫獣の傷るところ。)
→三つ目は房事、外傷、毒虫や動物からの害、すなわち
本人の不注意によるものである。(これを不内外因とする文献もある)

以此詳之、病由都盡。
(これをもって之をつまびらかにすれば、病の由はことごとく尽く。)
→病は上記3つに集約することが分かれば、病の原因が何かを把握できる。

若人能養愼、不令邪風干忤經絡、適中經絡、未流傳腑臟、即醫治之、
(もし人よく養い慎めば、邪風をして経絡に干忤かんごせしめず、
たまたま経絡にあたるも、いまだ腑臓に流伝せざれば、すなわち医これを治せ、)
→もし人が養生に努めて慎んだ生活をしていれば、たとえ風気で邪を受けても経絡に侵入されず、
もし経絡に侵入された場合は臓腑に伝わる前に医者は治さなければならない。

四肢才覺重滯、即導引吐納、鍼灸膏摩、勿令九竅閉塞。
(四肢わずかに重滞を覚えれば、すなわち導引吐納、鍼灸膏摩して九竅を閉塞せしむることなかれ。)
→手足が重い感じがするなら、経絡が滞っているので、
治療を受けて閉塞させないようにすべきである。

更能無犯王法、禽獸災傷、房室勿令竭乏、
(さらによく王法を犯すこと無く、禽獸災傷、房室に竭乏せしむることなかれ、)
→さらに法律をよく守り、あらゆる害をさけるようにして、

服食節其冷、熱、苦、酸、辛、甘、不遺形體有衰、病則無由入其腠理。
(服食はその冷、熱、苦、酸、辛、甘を節し、
形体をして衰あらしめざれば、病すなわちその腠理に入ること無し。

→飲食もその温度や味付けを摂生し、
身体を衰えさせないようにすれば、病は腠理から侵入することは無い。

腠者、是三焦通會元眞之處、為血氣所注。
(腠なる者、是三焦元真を通会するのところ、血気の注ぐところとなす。)
→腠理の「腠」とは、三焦の正気のおおもとが通じる場所で、気血が通るところをあらわし、

理者、是皮膚臟腑之文理也。
(理とは、これ皮膚と臓腑の文理なり。)
→腠理の「理」とは、皮膚と臓腑をつないでいるという条理をあらわす。

正気と邪気の関係や、皮膚、腠理、経絡、臓腑の関係などが記され、
本条も1条に続いて重要なことが書かれていますね。


参考文献:
『金匱要略も読もう』 東洋学術出版社
『傷寒雑病論』 東洋学術出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here