【週2日程度の研修生募集中】
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こんにちは、大原です。
ある勉強会がきっかけで、
「清肺湯」について調べよう、ということになりました。
この清肺湯という方剤は
タバコをよく吸う人などが
長く続く咳や痰を取り除くために用いられる印象が強いです。
(ドラッグストアでも取り扱っていますね)
そのようなイメージから、
おそらく肺の中にこもった
熱邪や痰濁を取り除く働きがあるのだと思います。
さて、実際はどうでしょうか、
文献を調べてみましょう。
中医臨床のための方剤学より
<清肺湯の組成>
甘草:1g、
黄芩:4.5g、
桔梗・茯苓・陳皮・貝母・桑白皮:各3g
当帰・天門湯・山梔子・杏仁・麦門冬・五味子:各2g
生姜・大棗と水煎服用する。
<効能>
清肺養陰・理気化痰
<主治>
肺失清粛・痰邪阻肺・化熱傷陰
主治や効能をこのように確認すると、
やはり肺にたまった熱や痰を取り除く働きがあるようですね。
さて、この清肺湯のもともとの出典は
万病回春という古文書のようです。
少し抜粋してみましょう。
一切の咳嗽、上焦に痰盛んなるを治す。
以下、上述の組成の通り、その方(作り方)が続きます。
さらに、痰を吐こうにも吐けない場合には
瓜蔞、枳実、竹瀝を加え、五味子を去る。
などの加減法が続きます。
ここで、「五味子」とは
斂肺に働くので止咳を補助し、辛散薬による傷陰を防ぐ
という働きがあるようです。
すなわち、肺気をこもらせてしまう方向に作用するので
痰を排泄させることができない場合には
症状が余計に悪化する可能性があるのでしょう。
そのため、痰の排泄を促すために
五味子を取り除くのですね。
また、瓜蔞(瓜楼)は清熱化痰(熱をとりつつ痰を化す(除く))に、
枳実は化痰消痞(痰を除き胸のつかえを取る)に、
竹瀝は清熱滌痰(熱をとりつつ痰のつまりを取り開く)に
それぞれ働くようです。
なかなか排泄されない痰を、
各薬味の働きによって
取り除こうとしていることが分かります。
このような加減法を考察していくと
各単味ごとの働きを知ることができますね。
続きます。
参考文献:
『中医臨床のための方剤学』 東洋学術出版社
『中医臨床のための中薬学』 東洋学術出版社
『万病回春解説』 創元社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。