【週2日程度の研修生募集中】
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朝日
朝日

下野です。
やっと『薬性の歌』も今回を合わせて
残り2回となりました。
しかし、この後の章も「生薬」に関するものとなり、
まだまだこの手の文章が続きます。
しっかりと勉強していきます!

では参りましょう。


【原文】
茶茗味苦、熱渴能済、上清頭目、下消食気。
酒通血脈、消愁遣興、少飲壮神、過則損命。
酢消腫毒、積瘕可去、産後金瘡、血暈皆治。
淡豆豉寒、能除懊憹、傷寒頭疼、兼理瘴気。
紫河車甘、療諸虛損、労瘵骨蒸、培植根本。

<第四十八に続く>


【解説】
茶茗は味苦。
熱渇によく用いる。
頭目を清したり、
食滞を消す。

酒は血脈を通じさせる。
愁いを消して、楽しませる。
少し飲めば精神を壮んにさせるが、
飲み過ぎは命を損じる。

酢は腫毒を消し、
積瘕を去る。
産後の金瘡や血暈を治す。

淡豆豉は寒。
胸中の苦しさを取り除き、
傷寒の頭疼に。
兼ねて瘴気をおさめる。

紫河車は甘。
労瘵や骨蒸など、
諸々の虚損を療す。
身体の根本を強くする。

———————————————————————————
茶茗さめい
(ここでは「茶」で説明します。)

ツバキ科のチャの葉。
性味:苦・微甘・微寒
帰経:心・肺・肝・腎・脾・胃
効能:
①祛風・清爽頭目
・傷風による頭痛や鼻閉、風熱上攻の頭痛やめまいに。
方剤例 → 川芎茶調散。

②清熱降火・解暑
・傷暑による頭痛や口渇に。

③解熱毒・止痢
・熱痢、熱瀉に。

④利水
・排尿困難な時に。

◉酒

穀類を発酵させたもの。
性味:温・熱・甘・苦・渋
帰経:心・肝・肺・胃
効能:
腸胃(胃を調える)や散寒(寒気を駆除)したり、
血行を促進させる。

◉酢

米や麦が原材料。
性味:酸・甘・苦・凉
帰経:脾・胃
効能:
食欲や胃の消化を促し、血の巡りを良くする。
また魚や肉による食中毒や下痢を治す。

淡豆豉たんずし

マメ科大豆の成熟種子を蒸してから
発酵加工したもの。
性味:辛・甘・微苦・凉・微温
帰経:肺・胃
効能:
①疏散解表
・外感風寒の発熱や悪寒、無汗などの症状に。
方剤例 → 葱豉湯。
・外感風寒の発熱や微悪風寒、咽痛などに。
方剤例 → 葱豉桔梗湯。

②宣鬱除煩
・熱病後の胸中に熱が残り、
胸が苦しいや気分が悪い、不眠などに。
方剤例 → 梔子豉湯。

紫河車しかしゃ

ヒトの胎盤。
性味:甘・鹹・温
帰経:肺・肝・腎
効能:
①補腎益精・助陽
・真陽虚の元気がない、腰膝の無力、冷えなどに。
方剤例 → 河車大造丸。

②益気養血
・気血不足の不妊や乳汁分泌不全に。

③補肺止咳
・肺腎陰虚の慢性咳嗽や痰に血が混じるに。
方剤例 → 河車丸。


<参考文献>
『万病回春解説』 創元社
『万病回春.巻之1-8』 早稲田大学 古典籍総合データベース
『中医臨床のための中薬学』 医歯薬出版株式会社
『中医病因病機学』 東洋学術出版社
『東方栄養新書』 メディカルユーコン

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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