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こんにちは、為沢です。
張仲景の古医書『傷寒論しょうかんろん』の解説です。

今回の傷寒論は弁厥陰病脈証并治 三百四十七章。
血虚で厥証に至った場合と禁忌について詳しく述べております。



傷寒五六日、不結胸、腹濡、脉虚、
 復厥者、不可下、此亡血、下之死

傷寒証で5〜6日経過した頃は、
経気が六経を巡り終える時であり、
表証は治癒するか、或いは他経に内伝する。

腹部を押圧しても軟らかい。結胸も腹満実の症状もない。
しかし脈が虚して四肢厥冷するのは、
病が気分にはなく血分にあり、血虚より厥証に至ったためである。

陰血が虚して陽気と交流することができないために
脉は虚して、四肢厥冷している。
これは熱邪が深いところにあって厥冷するのとは
全く異なるので、鑑別しなければならない。

誤って下法を行って精血を虚竭させ、
陰を陽脱させた場合は死に至ることもある。

提要:
血虚で厥証に至った場合と禁忌について。

『現代語訳 宋本傷寒論』訳を使用:
傷寒の病に罹り五六日が経った時点で、
結胸には至っておらず、腹部は柔軟で、
脉は虚して無力、しかも四肢が厥冷している場合は、
攻下法を用いることはできない。
なぜならこれは陰血虚少の状態だからで、
これを攻下すると死に至らせる。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』   東洋学術出版社

『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房

『増補 傷寒論真髄』  績文堂

『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

生薬イメージ画像:為沢 画

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

為沢

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