括蔞薤白白酒湯の證
図の如く、胸膈痞塞、喘息、咳唾、及び気急促迫、胸背痛のもの、
克、案ずるに、
旧年喘息を患うるもの此の證多し。
或は、労咳と号して百薬効なきもの、譬えば、大小・青龍湯、
或は麻黄甘草湯、或は葛根湯等の證に似て効なきもの、
此の證、数多あり。
然れども、又此の證に似て茯苓杏仁甘草湯の證、間あり。
謹んで診察し過るべからず。
その別は心下悸甚だしく、小便不利。
これ茯苓杏仁甘草湯の正證なり。心下悸の有無を以って分別すべし。
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『腹証奇覧 正編2巻』
京都大学貴重資料デジタルアーカイブより
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00004913