「老ての後は、
一日を以て十日として日々に楽しむべし。
常に日をおしみて一日も
あだに暮らすべからず。
世のなかの人のありさま、
わが心にかなはずとも、凡人なれば、
さこそあらめと思ひて、
わが子弟をはじめ人の過悪をなだめ、
するしてとがむべからず。
いかりうらむべからず。
又わが身不幸にして福うすく、
人われに対して横逆なるも、
うき世のならひかくこそあらめと思ひ、
天命をやすんじてうれふべからず。
つねに楽しみて日を送るべし。
人をうらみいかり、
身をうれひなげきて、
心をくるしめ楽しまずして、
はかなく年月を過なん事おしむべし。」

貝原 益軒『養生訓』より

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下野です。
今回の【養生訓】は、
老後の人生についてですが、
どの世代にも言えることではないでしょうか。

内容を簡単に訳しますと、
「世の考え方が自分に合わなくても、
仕方のない事だと考え、
人の過ちを許し、怒ったり、恨んだりしなさんな。
また自分が幸福でなくても、
また人が自分に対して理不尽でも、
天命と考え、憂いてはいけない。
人を恨んだり、怒ったり、
自分の身を嘆いたり、憂いたりして
心を苦しめるなよ。」
といった具合でしょうか。

感じ方、考え方は人それぞれでしょうが、
東洋医学的には
怒りや悲しみの感情は
病を生むものとなります。
お気をつけください。

須磨寺
須磨寺

平家物語で一番美しく、
そして悲しい物語として語り継がれている
平敦盛と熊谷直実の一騎打ち。
この一騎打ちで
熊谷直実は心に深い傷を負う事になり、
その後の人生を大きく変える事になる。


<参考文献>
『養生訓』 貝原守一博士校訂本
『口語 養生訓』 日本評論社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野


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