どうも、為沢です。

先日、Yahoo!ニュースで「大人のLEGO」というものを知りました。
ファン待望!“大人のためのレゴ(R)”が日本初登場
→http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110623-00000020-tkwalk-ent

ファン待望!“大人のためのレゴ(R)”が日本初登場
ファン待望!“大人のためのレゴ(R)”が日本初登場

「LEGO Architecture」というシリーズで
有名な建築物などをLEGOで再現されているようです。
その中でもアメリカのシアトルにある「Space Needle」という建物のLEGOがカッコいいです!
ただ、LEGOと聞くと、幼い時によく町を組み立てては
「戦争ごっこ」という名目で毎回兄にブッ壊されていたことを思い出すので購入は控えようと思います(笑)
トラウマです。

…さて、気を取り直して、今回の傷寒論は弁太陽病脈証并治(上)二十六章。
この章では、太陽病を患っている者に過度の発汗を行わせ、
陽明病となった者の証治について述べております。


弁太陽病脈証并治(上)

二十六章

服桂枝湯、大汗出後、大煩渇不解、
脉洪大者、白虎加人参湯主之。方十三。
知母六兩 石膏一斤、砕、綿裹 甘草炙、二兩 粳米六合 人参三兩
右五味、以水一升、煮米熟湯成、去滓、溫服一升、日三服。

和訓:
桂枝湯を服し、大いに汗出でて後、大煩渇解せず、
脉洪大なるものは、白虎加人参湯之を主る。方十三。
知母
六両 石膏一斤、砕く、綿で裹む 甘草炙る、二兩 粳米六合 人参三兩
右五味、水一升を以て、米を煮て熟して湯成れば、滓を去り、一升を溫服し、日に三服す。


服桂枝湯、大汗出後
桂枝湯証に自汗があるが、
これは病的な汗であり、桂枝湯は「微似汗」をもって治癒する。
則ち、桂枝湯服用後は、
自汗よりやや多めに汗が出るのが理想であるが、
この本章では桂枝湯を服用後、
大汗が出ているので宜しくない状態である。

大煩渇不解、脉洪大者、白虎加人参湯主之
二十五章でも桂枝湯を服用後に大汗と脉洪大が出ているが
本章では「大いに煩し、渇して解さず」=気分がイライラして、
口の渇きがきつい症状が加わっている。
これは桂枝湯を服して大いに汗を出し、
津液が脅かされて裏熱が盛んになったためで、
裏熱がきついと津液の消耗が激しくなり「煩渇」がきつくなってくる。

方義

 

 

知母
知母

知母
知母は苦寒で質柔性潤であり、
上は肺熱を清して瀉火し、下は腎を瀉して滋陰し、
中は胃火を瀉して煩渇を除き
清熱瀉火と滋陰潤燥の効能を持つので、
燥熱傷陰には虚実問わず使用できる。
熱病の煩渇・消渇・肺熱咳嗽・
陰虚燥咳・骨蒸潮熱などに適し、
滋陰降火・潤燥潤腸の効能があるため、
陰虚の二便不利にも用いる。
ここでは
清熱瀉火の効能があり、
石膏の補佐として用いられている。

石膏
石膏

石膏
石膏は辛甘・大寒で、肺・胃の二経に入り、
甘寒で生津し、辛で透発し、
大寒で清熱し
清熱瀉火するとともに散熱し、
外は肌表の熱を透発し内は肺胃の熱を清し、
退熱生津により除煩止渇するので、
肺胃二経の気分実熱による
高熱汗出・煩渇引飲・脈象洪大、
肺熱の気急鼻扇・上気喘咳、
胃火熾盛の頭痛・歯齦腫痛・口舌生瘡などに、非常に有効である。
ここでは知母・甘草とともに用いると効果的である。

甘草
甘草

甘草
甘草の甘平で、脾胃の正薬であり、
甘緩で緩急に働き、補中益気・潤肺祛痰・止咳・
清熱解毒・緩急止痛・調和薬性などの性能を持つ。
ここでは胃の気を和し虚を扶け、
清熱生津に働く。

粳米
粳米の性味は平、甘で帰経は脾、胃である。
和胃護津に働き、清熱薬による傷胃を防止すると共に、
石膏との配合で甘寒生津に働く。

人参
人参

人参
人参は甘・微苦・微温で中和の性をうけ、
脾肺の気を補い、生化の源である脾気と
一身の気を主る肺気を充盈すると
益血生津し安神し智恵を増すので、
生津止渇・安神益智にも働く。
ここでは熱盛の気血両傷を呈するときに、
石膏・知母などと用いて
生津止渇に働く。

白虎加人参湯について
裏熱熾盛で傷津が生じ、
大煩渇・大いに渇す・舌上乾燥して煩し、水数升を飲まんと欲す・
口燥き渇す・脈洪大
などを呈するときに、益気生津の人参で気津を双補する。
ただし、時時悪風・背微悪寒・煩・心煩など、少陽枢機不利による陽熱布達の障害や
心神上擾の症状をともなっており、少陽枢機不利があるために裏熱が外泄できないことを示している。
尚、「汗なし」の時は表鬱であるから、白虎湯と同じく本方は禁忌である。

 

提要
桂枝湯を服した後、陽明に転じたものの証と治療について。


桂枝湯を服用し、大量の汗が出たあと、激しい煩熱と口渇があって、
脈象が洪大ならば、白虎加人参湯で治療する。処方を記載。第十三法。
知母
六両 石膏一斤、砕く、布で包む 甘草炙る、二両 粳米六合 人参三両
右の五味を、一斗の水で、米がよく炊けて重湯になるまで煮て、滓を除き、一升を温服し、一日に三回服用する。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』 績文堂
『薬膳 素材辞典』 源草社
『中医臨床家のための方剤学』
『中医臨床家のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

為沢

3 コメント

    • ご指摘ありがとうございます!!!
      ここでは、
      傷寒論の研究者が世間に見解を示すという
      方向ではなく、
      各治療家が自主的に興味のある
      勉強を進めながらその課程を公開しております。
      誰かが添削するわけでもなく、
      自由に研究させています。
      ですので、
      正解を示しているわけではございませんので、
      おかしいと思われる箇所を指摘して頂けると
      うちの者も勉強になりますし、
      僕も興味があります。
      良ければご指摘下さいませ☆

    • 匿名さま、コメントありがとうございます。
      私の傷寒論の解説で至らぬ点があると拝読しました>_< 意見を出し合い、コメントを頂けることで 傷寒論の理解がより深められるとありがたいです! 宜しくお願いします!

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