この傷寒論のシリーズは、
当院の修行生によって毎週、水曜日の早朝に開かれる、
自主的な勉強会におけるメモ・備忘録となります。
古典の専門家によるものではなく、
一から学ぶ者の新鮮な目線を共有出来れば幸いに思います。
太陽病上篇より
7/20(水)
23条(桂枝麻黄各半湯)
前回、23条は
以下①~③の3つのパターンに分かれると議論し、
それぞれの意味を考えていった。
(23条)
太陽病、得之八九日、如瘧状發熱惡寒、熱多寒少、其人不嘔、清便欲自可、一日二三度發。
①脉微緩者、爲欲愈也.
②脉微而惡寒者、此陰陽倶虚、不可更發汗更下更吐也。
③面色反有熱色者、未欲解也、以其不能得小汗出、身必痒、宜桂枝麻黄各半湯。
上記のパターン③について
・「面色反有熱色者」の「反」とは
どういうことをあらわしているのだろうか?
→始めにあった有熱色が一時は治まって、
またしばらくして現れたということか?
→または、はじめはこのような顔色はなく、
太陽病にかかってしばらくしてから現れたということか?
・脈についての記載がないが、なぜだろうか?
→パターン②の脈状が、③にもかかっているのではいか。
→太陽病で表邪がある場合に脈状は浮脈になると思うがどうか。
→この場合、邪が外へ逃げることができずこもっているため、
浮脈を呈しないと思われる。
→表邪が内陥している場合は、脈は浮ではない。
・「身必痒」とは、表邪、とくに風邪が
体外から外泄しない(出ていかない)ことでおこるとされている。
→例えば、夏場、クーラーで体表が冷え、熱がこもることで
あせもやしっしんになることがあるのではないか。
その場合、汗をかいて内熱を逃がしてやれば
あせもやしっしんが治まるのではないだろうか。
上記パターン②について
・陰陽がともに虚した場合について書かれているが、
治法が記されていない。
これは、病が太陽病から他へ移ったため、
太陽病篇での記載は避けたのであろう。
ではどのような治法を行うべきか。
解説本では少陰病の四逆湯証に相当するなどとあるが、
また読み進めていくうちに明らかになると思う。
参加者:下野、新川、本多、大原、小堀
<原文>
太陽病、得之八九日、如瘧状發熱惡寒、熱多寒少、其人不嘔、清便欲自可、一日二三度發。
脉微緩者、爲欲愈也.
脉微而惡寒者、此陰陽倶虚、不可更發汗更下更吐也。
面色反有熱色者、未欲解也、以其不能得小汗出、身必痒、宜桂枝麻黄各半湯。