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こんにちは、大原です。
前回まで、主に霊枢の内容から、
上工とはどのような者かを
みてきました。

<今までの記事>
上工と下工 その1 →霊枢 九鍼十二原篇(第1)
上工と下工 その2 →霊枢 九鍼十二原篇(第1)
上工と下工 その3 →素問 八正神明論篇(第26)
上工と下工 その4 →素問 八正神明論篇(第26)
上工と下工 その5 →霊枢 小鍼解篇(第3)

今回は
霊枢の邪気臓腑病形論(第4)にある
上工についての記載をみていきます。

上工についての記述は
本篇の真ん中あたりにでてきます。
個人的な意訳とともに抜粋していきます。

<霊枢 邪気臓腑病形論(第4)より>
・・・(略)・・・
黄帝曰、調之奈何。
訳「これ(脈・皮膚の色などの状態を指す)を
診察するにはどうすれば良いのか?」


岐伯答曰、
脉急者、尺之皮膚亦急。

脉緩者、尺之皮膚亦緩。
脉小者、尺之皮膚亦減而少気。
脉大者、尺之皮膚亦賁而起。
脉滑者、尺之皮膚亦滑。
脉濇者、尺之皮膚亦濇。
訳「脈が『急』であれば皮膚も『急』であるなど、
 脈と皮膚の状態は関連している」

凡之変者、有微有甚。
訳「これらの変化は、わずかである場合や、大きく変わる場合がある
→この「微」や「甚」の変化については後に記されています。

故善調尺者、不待於寸。
訳「そのため、皮膚がよく調った場合は、脈の変化を待たなくて良い」

善調脉者、不待於色。
訳「脈がよく調った場合には、皮膚の色の変化を待たなくて良い」

能参合而行之者、可以為上工。上工十全九。
訳「皮膚の色や脈の診察を総合して診断・施術する者は、上工といって良い」

行二者為中工。中工十全七。
行一者為下工。下工十全六。
訳「脈や皮膚のうち、二つや一つだけの情報から診断・施術する者は、中工、下工である。

(以下略)

上工とは、やはりここでも
あらゆる情報を総合的に分析して
診断や施術を行うということが書かれていると思います。

また、脈と皮膚の関係についても
詳細に述べられています。

上工とはどのような者かを追っているうちに、
診断の要点が分かっていくように
霊枢は書かれているようにも感じます。

※原文の正確な解釈については
専門書等を参照してください。


参考文献:
『黄帝内経 霊枢 上巻』 東洋学術出版社

*画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。

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