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下積み修行中の小堀のお勉強記事です。
勉強中でまだまだ至らない内容ですが、
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小堀です。
今日は、癥痼圓の腹證から学んでいきたいと思います。
”図の如くを臍を巡りて動あり、これ所謂、胎動なり。
天下の人、十に六・七は此の患あらざる事なし。
病未だ発せざるうちは、さまでに患い煩うことなけれども、
若し此の病発するときは、世に所謂、中風、労瘵等の患をなす。
欝々として心煩上衝し、起てば即ち頭眩し、或は肉瞤筋惕、
小便不利・血証等の諸症を顕す。
一に皆、胎動を以って準拠として、此の証を極むべし。
甚だしきものは、胎動上りて心胸に迫るを覚う。
是れ所謂、奔豚気なり。之を診うの伝、中指の本筋を臍穴にあて
指頭をかけて按すこと、或は重く或は軽くすれば、
胎動なるもの臍底より到るを考うべし。”
桂枝茯苓丸に、大黄と当帰を加えたものが
癥痼圓といわれています。
◎大黄
性味:苦、寒
帰経:脾・胃・大腸・肝・心包
①瀉熱通腸
②清熱瀉火
③行瘀破積
④清化湿熱
◎当帰
性味:甘・辛・苦、温
帰経:心・肝・脾
①補血調経
②活血行気・止痛
③潤腸通便
◉奔豚気とは
(難経・五十六難)
腎之積、名曰賁豚。発於少腹、上至心下、若豚状、或上或下無時。
久不已、令人喘逆、骨痿少気。以夏丙丁日得之。
何以言之。脾病伝腎、腎当伝心、心以夏適王。
王者不受邪。腎復欲還脾。脾不肯受、故留結為積。
故知賁豚以夏丙丁日得之。
腎の積病は賁豚と言い、下腹に起こり、
上がって心下に達し、奔走する豚のように
上がったり下がったり、時間に関係なく動く。
改善がない場合は、喘息や咳嗽が起こり、
骨は萎えて弱り、呼吸が弱くなる。
この病は夏 丙丁の日に発生する。
(金匱要略・奔豚気病脈証治)
奔豚の病、少腹より起こり、上りて咽喉を衝き、発作すれば死せんと欲し、
また還りて止む。みな驚恐によりこれを得る。
(中医診断と治療)
下腹部から塊状のものが上方に昇っていくような感覚を言い、間歇的に発生する。
・肝気上逆の奔豚気
驚き・恐れ・激怒に伴い突然下腹部から塊状のものが
胸や咽喉に突き上げてくる感覚が生じる。
死ぬような恐怖感で、動悸・不安・声を聞くのが嫌である。
肝気鬱結から化火・上逆を生じて営衛不和を起こして発生する。
発作は反復するが、治まれば正常である。
腹痛・呼吸困難・嘔吐・口乾・悪寒や熱感を生じる。
・水寒上衝の奔豚気
陽虚体質で、下焦に虚寒があったり
表証に発汗法を過度に行って心陽が虚し、
下焦の水寒が心を衝いて起こり、
発症前に臍下の動悸を自覚するのが特徴である。
次に塊状のものが上衝してくる感覚を生じる。
参考文献:
『難経解説』
『中医基本用語辞典』東洋学術出版社
『症状による中医診断と治療』 燎原
『腹證奇覧 全』医道の日本社
『臨床 古今腹証新覧』たにぐち書店
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
小堀