この傷寒論のシリーズは、
当院の修行生によって毎週、水曜日の早朝に開かれる、
自主的な勉強会におけるメモ・備忘録となります。
古典の専門家によるものではなく、
一から学ぶ者の新鮮な目線を共有出来れば幸いに思います。
太陽病上篇より
5/4(水)
前回に続き12条:
・「陽浮而陰弱」とは何をあらわしているのだろうか?
→脈の状態ではないか。(3条の傷寒についての記述でも似たような表現があることから)
→陽気と陰気、すなわち、衛気(衛陽)と営気(営陰)とするのが自然ではないか。
・「鼻鳴」は、参考文献をみると、
「肺気が阻滞している状態」と解釈されていることが多い。
→衛陽、営陰が乱れることによって肺気に停滞がおこるということか。
・「乾嘔者」とは、胃気の弱りを表す。
これらの症状は、陽気が上る(浮く)ことによってもたらされていると解釈できる。
衛陽や営陰の乱れがこのような裏証につながるということではないだろうか。
・桂枝湯の組成について
鍼灸でも外感中風証を治療するが、
経穴と薬味は1対1で相対するものなのだろうか。
また、どの薬味と経穴が相対するのだろうか。
次回続きを行う。
参加者:下野、新川、本多、大原、小堀
<原文>
(12) 太陽中風、陽浮而陰弱。陽浮者、熱自発。陰弱者、汗自出。
嗇嗇悪寒,淅淅悪風,翕翕発熱,鼻鳴乾嘔者,桂枝湯主之。